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『えっとなになに…』
妹が可愛らしい字で書いてくれたレシピをじっと見つめるオレ。
その手元を見つめながらおたまをふりまわす冬獅郎。
しずかにしてくれ。
『いちごーごはんまだか?』
『ちょっと待ってろ。これから炊くからな』
『!たたくのか?』
そういいながらぶんぶんとおたまをあっちこっちに振り回している。
『こらこら!そんなおんふりまわすな!あぶねーだろ』
『いちごがたたくってゆったんだぞ!』
『たたくじゃねーよ…「炊く」だ!』
『たく?』
今度はおたまを両手で握りしめてオレを見上げてきた。
意味がわかっていないらしい。
まあ…とんな子供では「炊くも「煮る」も「焼く」もなにもかも同じだろう。
『この炊飯器に材料いれてボタン押すとピラフができるんだよ』
『ボタンおしたらできんのか!』
『そーだ!すげーだろ?』
『すげー!』
そんな事を言いながらもm本当にできるものなのかオレは少々不安だった…。
まずはスープの元を投入。
そして冷蔵庫から野菜や魚介の材料を出してきてレシピの順番通りにいれた。
隣でオレのする事をじっと見ている冬獅郎の手からおたまを奪い、そのおあたまで炊飯器の中身をぐるぐるかきまぜた。
『いちごーみえないー』
『…うーん…まだうまそうじゃねーぞ?』
『みるー!』
『ほら』
ひょいっと軽いからだを抱き上げて、炊飯器の中身を覗かせてやった。
『なんだこれ?』
『何って…オレ達の昼飯』
『これくうのか?』
『まーな…』
冬獅郎を床におろし、もう一度レシピを見直したオレは間違った事はしていないのを確認し、炊飯器のスイッチをいれた。
『よし!あとは30分くらい待てばできっぞ』
『おう!』
だが、オレらは腹が減り過ぎている…。
冬獅郎もじぶんのおなかを押さえて、うるさい腹の虫をなだめようと必死だ。
しょうがない…。
ピラフと共に食べるようにと妹が用意してくれたサラダを先に食べる事にした。
しゃくしゃくぽりぽりという音だけがリビングに響く。
しゃべるのも面倒なほど腹が減っていた。
なんだか情けない。
サラダを平らげたオレは、空腹が余計に刺激された感じがして水をがぶ飲みした。
冬獅郎は未だにちっちゃい口にキュウリを詰め込むのに必死だ。
そうしているうちに、キッチンからいい匂いが漂ってきた。
『お!なんかいい匂いして来たぞ!冬獅郎!』
『あ?』
今度はレタスと格闘し、フォークを捨てて手づかみで葉っぱを食べる冬獅郎が素っ頓狂な声をだした。
『ピラフもうすぐ炊けるぞ?』
『!ほんとか!』
『オレちょっと見て来る』
立ち上がったオレは、いい匂いのたちこめるキッチンへ。
炊飯器のデジタル表示を見ると、あと5分ほどで出来上がるらしい。
近くに来ると本当にいい香りで、中途半端にサラダだけ食っただけの腹がまた騒ぎだした。
リビングに戻る前に皿を用意し、ジュースをグラスとコップに注いでおく。
自分の食べたサラダのボウルを片付け、冬獅郎のも…と思ったら、まだアスパラガスをフォークに刺すことに夢中だった。
とりあえず自分の物だけシンクに放り込み、水を張った所で『ぴーぴーぴー』と言う電子音が響いた。
『冬獅郎!できた!』
『できたー!』
アスパラを打ち負かした冬獅郎もキッチンへ走ってきた。
口の周りがドレッシングでべたべただが、またどうせピラフでとゴレルだろうからと思い、放っておいた。
冬獅郎が炊飯器を覗けるように、椅子を用意して二人でドキドキしながら炊飯器のふたをあけた。
ぼわっという湯気と共に広がるなんともいい香り。
冬獅郎は湯気が顔にかかり、熱かったのか手でごしごしこすっている。
『すげー!できてるよ…』
材料をいれてボタンを押しただけとはいえ、自分が作ったという感慨は深い。
早速木べらをつかってかきまぜる。
レシピによると5分ほど蒸らして、更にバターを少量いれて混ぜる…とある。
最後まで完璧に任務を遂行したオレは先程用意した皿にピラフをよそった。
更に広がるいい香りに、腹の虫が余計に騒ぐ。
ドタバタとリビングにピラフを運ぶ。
『いただきます!』
『いただきまあす!』
最初の何口かは無言で思い切りピラフをかき込む。
『うまい!』
予想以上に美味かった。
冷凍のものとは違いすぎることくらい、オレにでもわかる。
隣の冬獅郎を見れば、熱くてなかなか食べる事ができないのか、ふうふう言いながら一生懸命ほおばっている。
オレは冬獅郎の皿を寄せると少しかき混ぜてさましてやった。
再び自分の元に戻った皿を抱え、今度は思いっきり口いっぱいにほおばっている。
なんとも愛らしい姿だ。
周りにこぼれている米粒を除けば…。
あっと今に一皿のピラフを委に収めたオレは、全く物足りなくてというか、あまりの美味さにすぐにおかわりへと立った。
『オレおかわりー!』
『あ!いちごずるい!おれもおれも!
オレの皿より二周りも小さい皿の上にはあと一掬いのか二掬いのピラフ。
それをすごい勢いでくちの中におさめた冬獅郎は、ほっぺをぱんぱんにしながら椅子から降りて、皿を持った両手を差し出すようにしながらキッチンのオレの元に走って来た。
とんでもなく真剣な目が笑ってしまうほどかわいい。
いつもなだ、半分ほど食べた時点で『おなかいっぱい』だの『あきた』だのと、滅多に全部食べてくれない冬獅郎が今日はなんとおかわりだ。
どうやらお口に合ったらしい。
二人で再び更に山盛りにピラフをよそった。
炊飯器はこれでカラになった。
オレは先程よりは腹が落ち着いているので、ゆっくり味を噛み締めながら食べる事ができた。
本当に美味い。
っこんなに簡単につくれるなんて、マジで感動だ。
今度は遊子にしっかり材料の準備から教えてもらおうかんどと考えながら、冬獅郎を観察した。
ちっちゃい手と口を動かし、もはや皿に顔を埋める勢いだ。
そんな姿に苦笑しながら、オレは自分の皿の上をきれいに片付けた。
大満足な昼食を終え、きちんと皿洗いを下オレ達は、ジュースを飲みながらソファでくつろいだ。
『うまかったなー』
『うまかったー』
冬獅郎はぱんぱんにふくれたおなかをぺろんと出して、満足げだ。
『お前…腹すっげーな』
柔らかい子供の腹は、食べた分だけ素直に膨らむ。
風船みたいになった腹を撫でると、冬獅郎はくすぐったがってそソファから逃げた。
しばらく追っかけっこをしていたが、その内眠くなって来た。
『昼寝すっか…冬獅郎』
『…ん』
すっかりお昼寝モードの冬獅郎は、オレの服の裾をきゅっと握っている。
オレもひどく眠くて、2階に上がるのは面倒だったので脱衣所からバスタオルを持って来て、二人でそれにくるまってソファに寝転がった。
子供のあったかい体温が心地よくて、オレは思わずにやけてしまった。
とんでもなく幸せなひととき。
腕のなかの冬獅郎は既にすやすやと寝息をたてている。
こんだけ食って、ゆっくり寝ればこいつも少しは大きくなるだろうか?
そんな事を考えていたら、オレもいつの間にかうとうとしていた。
『ただいまー!』
『ただいま!おにいちゃん!お昼食べれた?』
『おう…おかえりー』
少し前に目覚めたオレは、だらだらと冬獅郎を抱っこしながら横になっていたのだが、元気よく帰ってきた家族を出迎える為に起き上がった。
それぞれが手に今日の収穫物を持っている。
栗やらキノコやら。
『今日はコレ使ってゴハンつくるからね!』
『おう。すっごい量だな』
『親父が張り切ったんだよ』
そんな親父は体力を使い切ったのか、玄関に転がったままだ。
『そう言えばピラフ残ってる?』
『いや全部食った』
『えー!アレ全部?3合もあったんだよ?』
『それがさ、あいつスッゲー食ったんだぜ?なんとおかわりまでしやがって』
『…ほえ…すごーい』
『だろ?腹一杯になりすぎてずっと昼寝してるけどな』
『いいじゃない!たくさんたべれたんだから』
『ああそうだな』
コレだけドタバタ音を立てたり、大声で話しているのに、全く起きる気配の無い冬獅郎をオレ達は見下ろしながらくすくすと笑った。
『さて!夜は栗ごはんとキノコ汁をつくるんだよ!』
そんな妹の宣言を聞いて、先程まで満腹だったオレなのに、またしても食欲がわいてきた。
さすがは食欲の秋だ。
という事はそろそろあの子を起こしておかなければ…。
寝起きがよろしくない冬獅郎は、しっかり目が覚めるまではぐずりまくるので、何かがある時は早めに起こさねばならない。
幸せそうに眠る子供を起こすのは気が引けるが、冬獅郎の大好きな栗ごはんのためだ。
そう決意したオレは、ソファにどっかりの座り、ペチペチと冬獅郎の頬を叩く事から始めた。
妹が可愛らしい字で書いてくれたレシピをじっと見つめるオレ。
その手元を見つめながらおたまをふりまわす冬獅郎。
しずかにしてくれ。
『いちごーごはんまだか?』
『ちょっと待ってろ。これから炊くからな』
『!たたくのか?』
そういいながらぶんぶんとおたまをあっちこっちに振り回している。
『こらこら!そんなおんふりまわすな!あぶねーだろ』
『いちごがたたくってゆったんだぞ!』
『たたくじゃねーよ…「炊く」だ!』
『たく?』
今度はおたまを両手で握りしめてオレを見上げてきた。
意味がわかっていないらしい。
まあ…とんな子供では「炊くも「煮る」も「焼く」もなにもかも同じだろう。
『この炊飯器に材料いれてボタン押すとピラフができるんだよ』
『ボタンおしたらできんのか!』
『そーだ!すげーだろ?』
『すげー!』
そんな事を言いながらもm本当にできるものなのかオレは少々不安だった…。
まずはスープの元を投入。
そして冷蔵庫から野菜や魚介の材料を出してきてレシピの順番通りにいれた。
隣でオレのする事をじっと見ている冬獅郎の手からおたまを奪い、そのおあたまで炊飯器の中身をぐるぐるかきまぜた。
『いちごーみえないー』
『…うーん…まだうまそうじゃねーぞ?』
『みるー!』
『ほら』
ひょいっと軽いからだを抱き上げて、炊飯器の中身を覗かせてやった。
『なんだこれ?』
『何って…オレ達の昼飯』
『これくうのか?』
『まーな…』
冬獅郎を床におろし、もう一度レシピを見直したオレは間違った事はしていないのを確認し、炊飯器のスイッチをいれた。
『よし!あとは30分くらい待てばできっぞ』
『おう!』
だが、オレらは腹が減り過ぎている…。
冬獅郎もじぶんのおなかを押さえて、うるさい腹の虫をなだめようと必死だ。
しょうがない…。
ピラフと共に食べるようにと妹が用意してくれたサラダを先に食べる事にした。
しゃくしゃくぽりぽりという音だけがリビングに響く。
しゃべるのも面倒なほど腹が減っていた。
なんだか情けない。
サラダを平らげたオレは、空腹が余計に刺激された感じがして水をがぶ飲みした。
冬獅郎は未だにちっちゃい口にキュウリを詰め込むのに必死だ。
そうしているうちに、キッチンからいい匂いが漂ってきた。
『お!なんかいい匂いして来たぞ!冬獅郎!』
『あ?』
今度はレタスと格闘し、フォークを捨てて手づかみで葉っぱを食べる冬獅郎が素っ頓狂な声をだした。
『ピラフもうすぐ炊けるぞ?』
『!ほんとか!』
『オレちょっと見て来る』
立ち上がったオレは、いい匂いのたちこめるキッチンへ。
炊飯器のデジタル表示を見ると、あと5分ほどで出来上がるらしい。
近くに来ると本当にいい香りで、中途半端にサラダだけ食っただけの腹がまた騒ぎだした。
リビングに戻る前に皿を用意し、ジュースをグラスとコップに注いでおく。
自分の食べたサラダのボウルを片付け、冬獅郎のも…と思ったら、まだアスパラガスをフォークに刺すことに夢中だった。
とりあえず自分の物だけシンクに放り込み、水を張った所で『ぴーぴーぴー』と言う電子音が響いた。
『冬獅郎!できた!』
『できたー!』
アスパラを打ち負かした冬獅郎もキッチンへ走ってきた。
口の周りがドレッシングでべたべただが、またどうせピラフでとゴレルだろうからと思い、放っておいた。
冬獅郎が炊飯器を覗けるように、椅子を用意して二人でドキドキしながら炊飯器のふたをあけた。
ぼわっという湯気と共に広がるなんともいい香り。
冬獅郎は湯気が顔にかかり、熱かったのか手でごしごしこすっている。
『すげー!できてるよ…』
材料をいれてボタンを押しただけとはいえ、自分が作ったという感慨は深い。
早速木べらをつかってかきまぜる。
レシピによると5分ほど蒸らして、更にバターを少量いれて混ぜる…とある。
最後まで完璧に任務を遂行したオレは先程用意した皿にピラフをよそった。
更に広がるいい香りに、腹の虫が余計に騒ぐ。
ドタバタとリビングにピラフを運ぶ。
『いただきます!』
『いただきまあす!』
最初の何口かは無言で思い切りピラフをかき込む。
『うまい!』
予想以上に美味かった。
冷凍のものとは違いすぎることくらい、オレにでもわかる。
隣の冬獅郎を見れば、熱くてなかなか食べる事ができないのか、ふうふう言いながら一生懸命ほおばっている。
オレは冬獅郎の皿を寄せると少しかき混ぜてさましてやった。
再び自分の元に戻った皿を抱え、今度は思いっきり口いっぱいにほおばっている。
なんとも愛らしい姿だ。
周りにこぼれている米粒を除けば…。
あっと今に一皿のピラフを委に収めたオレは、全く物足りなくてというか、あまりの美味さにすぐにおかわりへと立った。
『オレおかわりー!』
『あ!いちごずるい!おれもおれも!
オレの皿より二周りも小さい皿の上にはあと一掬いのか二掬いのピラフ。
それをすごい勢いでくちの中におさめた冬獅郎は、ほっぺをぱんぱんにしながら椅子から降りて、皿を持った両手を差し出すようにしながらキッチンのオレの元に走って来た。
とんでもなく真剣な目が笑ってしまうほどかわいい。
いつもなだ、半分ほど食べた時点で『おなかいっぱい』だの『あきた』だのと、滅多に全部食べてくれない冬獅郎が今日はなんとおかわりだ。
どうやらお口に合ったらしい。
二人で再び更に山盛りにピラフをよそった。
炊飯器はこれでカラになった。
オレは先程よりは腹が落ち着いているので、ゆっくり味を噛み締めながら食べる事ができた。
本当に美味い。
っこんなに簡単につくれるなんて、マジで感動だ。
今度は遊子にしっかり材料の準備から教えてもらおうかんどと考えながら、冬獅郎を観察した。
ちっちゃい手と口を動かし、もはや皿に顔を埋める勢いだ。
そんな姿に苦笑しながら、オレは自分の皿の上をきれいに片付けた。
大満足な昼食を終え、きちんと皿洗いを下オレ達は、ジュースを飲みながらソファでくつろいだ。
『うまかったなー』
『うまかったー』
冬獅郎はぱんぱんにふくれたおなかをぺろんと出して、満足げだ。
『お前…腹すっげーな』
柔らかい子供の腹は、食べた分だけ素直に膨らむ。
風船みたいになった腹を撫でると、冬獅郎はくすぐったがってそソファから逃げた。
しばらく追っかけっこをしていたが、その内眠くなって来た。
『昼寝すっか…冬獅郎』
『…ん』
すっかりお昼寝モードの冬獅郎は、オレの服の裾をきゅっと握っている。
オレもひどく眠くて、2階に上がるのは面倒だったので脱衣所からバスタオルを持って来て、二人でそれにくるまってソファに寝転がった。
子供のあったかい体温が心地よくて、オレは思わずにやけてしまった。
とんでもなく幸せなひととき。
腕のなかの冬獅郎は既にすやすやと寝息をたてている。
こんだけ食って、ゆっくり寝ればこいつも少しは大きくなるだろうか?
そんな事を考えていたら、オレもいつの間にかうとうとしていた。
『ただいまー!』
『ただいま!おにいちゃん!お昼食べれた?』
『おう…おかえりー』
少し前に目覚めたオレは、だらだらと冬獅郎を抱っこしながら横になっていたのだが、元気よく帰ってきた家族を出迎える為に起き上がった。
それぞれが手に今日の収穫物を持っている。
栗やらキノコやら。
『今日はコレ使ってゴハンつくるからね!』
『おう。すっごい量だな』
『親父が張り切ったんだよ』
そんな親父は体力を使い切ったのか、玄関に転がったままだ。
『そう言えばピラフ残ってる?』
『いや全部食った』
『えー!アレ全部?3合もあったんだよ?』
『それがさ、あいつスッゲー食ったんだぜ?なんとおかわりまでしやがって』
『…ほえ…すごーい』
『だろ?腹一杯になりすぎてずっと昼寝してるけどな』
『いいじゃない!たくさんたべれたんだから』
『ああそうだな』
コレだけドタバタ音を立てたり、大声で話しているのに、全く起きる気配の無い冬獅郎をオレ達は見下ろしながらくすくすと笑った。
『さて!夜は栗ごはんとキノコ汁をつくるんだよ!』
そんな妹の宣言を聞いて、先程まで満腹だったオレなのに、またしても食欲がわいてきた。
さすがは食欲の秋だ。
という事はそろそろあの子を起こしておかなければ…。
寝起きがよろしくない冬獅郎は、しっかり目が覚めるまではぐずりまくるので、何かがある時は早めに起こさねばならない。
幸せそうに眠る子供を起こすのは気が引けるが、冬獅郎の大好きな栗ごはんのためだ。
そう決意したオレは、ソファにどっかりの座り、ペチペチと冬獅郎の頬を叩く事から始めた。
オンリー用の表紙がなんとかできた。
って誰なんだwあの子供はwww
一護と日番谷の子供とか言っても、頭おかしいとか思われるだけなんだけど、誰でも一度は通る道じゃん?www
今回の本は18禁じゃないんだぜ!!!
って誰なんだwあの子供はwww
一護と日番谷の子供とか言っても、頭おかしいとか思われるだけなんだけど、誰でも一度は通る道じゃん?www
今回の本は18禁じゃないんだぜ!!!
『いちご!こっちこっち!』
『へいへい』
午前中から公園で駆け回るというのはなんとも健康的でよろしい。
だが、先日の野球で体がばきばきのオレにはすこし辛い。
そんなオレにはおかまいなく、次から次へとあっちに行くだの、こっちの滑り台がいいだのと、冬獅郎はかけずり回る。
一人で遊んでくれればいいのだが、こいつはオレが側にいないとだめなのだ。
懐かれてるのは嬉しいが、困難で将来大丈夫だろうかと少し不安になる。
オレの前ではとんでもなく偉そうでわがままでやりたい放題なのに、他人の前ではまるで借りて来たネコ。
人見知りも甚だしい。
しばらく公園で遊んでいると、今まで同じように遊んでいた子供達と親がそれぞれ連れ立って公園を出て行く。
噴水の側にある大きな土気を見ると間もなく正午になろうとしていた。
思いのほか遊んでいたらしい。
『冬獅郎!そろそろ帰るぞ!』
『やだ』
『…てめぇ…』
『もういっかいー!』
『…』
捕まえようとしたオレの手をすり抜け、冬獅郎は滑り台にむかって走る。
全く…。
滑り台のてっぺんから滑り降りてくる冬獅郎を、途中ですくいあげるようにして捕まえた。
『なんだよー!』
「もう昼ご飯の時間だろ?帰るぞ』
『もういっかいー!すべりだいー』
『オレ腹減ったぞ?お前は腹がへってないのか?』
冬獅郎を抱えたまま歩き出すが、暴れる冬獅郎の手や足が体にあたって痛いったらありゃしない。
全く乱暴な子だ。
『まだ!まだ遊ぶ!』
もはや悲鳴に近い声で冬獅郎が叫ぶが、オレはそれを聞こえないふりをして公園から出た。
その時腕の中の子供のおなかがくるくるとかわいい音を鳴らした。
『ほうら、お前だって腹ぺこじゃんか』
『あ…おれはらへった…?』
冬獅郎は一つの事に夢中になると集中しすぎて他の事を忘れてしまう癖がある。
幼稚園では一人で遊ぶのに夢中になって、お弁当の時間になっても先生の言う事を聞かなかったこともあるらしい。
そんな事を思い出していたら、今度は急に冬獅郎が『はやくかえってごはん!』と騒ぎだした。
どうやら、昼飯はたのしみにしていたピラフなのをおもいだしたらしい。
今度は別な意味で暴れ出した冬獅郎を腕から降ろし、道路に飛び出さないようにしっかり手を握って家に帰る道を歩き出した。
家に帰る間中『ぴらふーぴらふー』とあほみたいに繰り返している冬獅郎の顔はわくわくとどきどきでいっぱいで、とんでもなくかわいらしかった。
繋いだ手がたまにきゅっと力を入れて握り返してくる様も愛らしい。
さて、コレから昼飯を作らねばならない訳で、オレにとってはかなりも難問だ。
簡単だと妹は言ってくれたが、やってみない事にはわからない。
かわいい弟の為にも、絶対に失敗したくない。
こいつの泣き顔なんて見るのはケンカの時だけで十分だ。
まあ、泣き顔もそうとう可愛いんだが。
家に付いたオレ達は手荒いうがいを住ませ、汚れた冬獅郎の服は洗濯機に放り込み、オレは普段滅多にしないエプロンなんかを着けてみた。
『オレもエプロン!』とねだる冬獅郎だが、小さいエプロンなんて見当たらないし、あったとしてもどこにあるかなんてわからない。
冬獅郎が食事の時に使いヨダレかけなら見つけたが、そんなんつけたら怒ってしまうだろう。
悩んだ末、手ぬぐいを出して来て、細っこい腰にくるりと巻いて後ろは適当に結んでエプロンらしくしてやった。
それでも冬獅郎はわりと気に入ったようで、使う予定のないおたまをもって走っている。
とても滑稽だ。
そうしているうちに12時半を回ってしまった。
早く炊かないとおやつの時間になってしまう。
腕まくりをしたオレはまずは妹の残したメモと材料のにらめっこから始めたのだった。
つづくんだ
『へいへい』
午前中から公園で駆け回るというのはなんとも健康的でよろしい。
だが、先日の野球で体がばきばきのオレにはすこし辛い。
そんなオレにはおかまいなく、次から次へとあっちに行くだの、こっちの滑り台がいいだのと、冬獅郎はかけずり回る。
一人で遊んでくれればいいのだが、こいつはオレが側にいないとだめなのだ。
懐かれてるのは嬉しいが、困難で将来大丈夫だろうかと少し不安になる。
オレの前ではとんでもなく偉そうでわがままでやりたい放題なのに、他人の前ではまるで借りて来たネコ。
人見知りも甚だしい。
しばらく公園で遊んでいると、今まで同じように遊んでいた子供達と親がそれぞれ連れ立って公園を出て行く。
噴水の側にある大きな土気を見ると間もなく正午になろうとしていた。
思いのほか遊んでいたらしい。
『冬獅郎!そろそろ帰るぞ!』
『やだ』
『…てめぇ…』
『もういっかいー!』
『…』
捕まえようとしたオレの手をすり抜け、冬獅郎は滑り台にむかって走る。
全く…。
滑り台のてっぺんから滑り降りてくる冬獅郎を、途中ですくいあげるようにして捕まえた。
『なんだよー!』
「もう昼ご飯の時間だろ?帰るぞ』
『もういっかいー!すべりだいー』
『オレ腹減ったぞ?お前は腹がへってないのか?』
冬獅郎を抱えたまま歩き出すが、暴れる冬獅郎の手や足が体にあたって痛いったらありゃしない。
全く乱暴な子だ。
『まだ!まだ遊ぶ!』
もはや悲鳴に近い声で冬獅郎が叫ぶが、オレはそれを聞こえないふりをして公園から出た。
その時腕の中の子供のおなかがくるくるとかわいい音を鳴らした。
『ほうら、お前だって腹ぺこじゃんか』
『あ…おれはらへった…?』
冬獅郎は一つの事に夢中になると集中しすぎて他の事を忘れてしまう癖がある。
幼稚園では一人で遊ぶのに夢中になって、お弁当の時間になっても先生の言う事を聞かなかったこともあるらしい。
そんな事を思い出していたら、今度は急に冬獅郎が『はやくかえってごはん!』と騒ぎだした。
どうやら、昼飯はたのしみにしていたピラフなのをおもいだしたらしい。
今度は別な意味で暴れ出した冬獅郎を腕から降ろし、道路に飛び出さないようにしっかり手を握って家に帰る道を歩き出した。
家に帰る間中『ぴらふーぴらふー』とあほみたいに繰り返している冬獅郎の顔はわくわくとどきどきでいっぱいで、とんでもなくかわいらしかった。
繋いだ手がたまにきゅっと力を入れて握り返してくる様も愛らしい。
さて、コレから昼飯を作らねばならない訳で、オレにとってはかなりも難問だ。
簡単だと妹は言ってくれたが、やってみない事にはわからない。
かわいい弟の為にも、絶対に失敗したくない。
こいつの泣き顔なんて見るのはケンカの時だけで十分だ。
まあ、泣き顔もそうとう可愛いんだが。
家に付いたオレ達は手荒いうがいを住ませ、汚れた冬獅郎の服は洗濯機に放り込み、オレは普段滅多にしないエプロンなんかを着けてみた。
『オレもエプロン!』とねだる冬獅郎だが、小さいエプロンなんて見当たらないし、あったとしてもどこにあるかなんてわからない。
冬獅郎が食事の時に使いヨダレかけなら見つけたが、そんなんつけたら怒ってしまうだろう。
悩んだ末、手ぬぐいを出して来て、細っこい腰にくるりと巻いて後ろは適当に結んでエプロンらしくしてやった。
それでも冬獅郎はわりと気に入ったようで、使う予定のないおたまをもって走っている。
とても滑稽だ。
そうしているうちに12時半を回ってしまった。
早く炊かないとおやつの時間になってしまう。
腕まくりをしたオレはまずは妹の残したメモと材料のにらめっこから始めたのだった。
つづくんだ
『おにいちゃん!あたし達そろそろ出かけるからねー!』
『うーぃ…きをつけてなー』
部屋のドアを少しだけ開けて、妹が声をかけて来るのを本から顔を上げずに返事をしたオレ。
ちょっと、今読んでいる所は目が離せない。
『おにいちゃん、ちょっといい?』
『んー?』
『もー…ちゃんと聞いてよ!』
生返事しか返さないオレに、呆れたような妹の声。
その時部屋のドアが突然全開にされた。
『いちごー!』
『ん?』
オレのかわいいかわいい弟の冬獅郎。
現在4歳。
わがまま真っ盛り。
部屋の入り口に立っている遊子の横をすり抜けて、ベッドに寝転がっているオレの所へ駆け寄って来る。
そして、ベッドをよじ登り、更にオレによじ登り…。
『いてててててて!こら!冬獅郎!降りろ!』
『いちごがねてるからだー!ごはんできないんだぞ!』
『いてぃって!こらこら!わかった起きるから…って?ごはん出来ない?なんだそりゃ?』
『いちごがちゃんときかないとダメなんだ!』
『へ?なにいってんのお前?』
冬獅郎はオレの腹の上でじたばた騒ぎながら、訳のわからない事をいっている。
だが、顔は必死で何か訴えたいようだ。
だが、こいつにいくら聞いても筋の通った話しは出来ないだろうと、未だ入り口に立ってこの様子を見ている妹に聞こうと、オレは首を捩った。
『遊子ー…どういうことだ?』
『あのね、あたしと夏梨ちゃんとお父さんで出かけるでしょ?だからお昼ゴハンはおにいちゃんとしろくんで二人で食べるの』
『おう…べつにパンとかカップラーメンでいいぞ?』
『ん…それが、しろくんがね昨日テレビで見たエビピラフが食べたいっていうから』
『うん。じゃあ冷凍のやつか?』
オレの頭に、袋に入ったカチコチの米粒が電子レンジでどんどんうまそうに変化して行く様が再生されている。
『ううんちがうの、実は炊飯器で出来るレシピってのやってて、材料は用意してあるから、味付けと炊くのをおにいちゃんいやってほしいんだ』
『え?』
そんな高度な…。
卵焼きだとか。インスタントラーメンだとか。せいぜい出来ても野菜炒めくらいなのに。
ピラフなんて、冷凍じゃなければレストランでしか食えないもんだとばかり…。
いや…料理上手な妹は毎日毎日いろいろなものを作ってくれるので、たまにピラフなんかもあったかもしれない。
だが、オレはそれをピラフと認識して食ってはいなかったような…。
チャーハンとかまぜゴハンと同じようなもんだと…。
『えーと…』
『大丈夫!かんたんだから』
『かんたんー』
不安そうな顔をするオレに、遊子安心させるように簡単だと言ってくれた。
ついでにやっとオレの上から降りた冬獅郎がべッドのスプリングで飛び跳ねながら同じ言葉を連発している。
『じゃあ、ちょっと説明するから下に来て!』
『おう…』
『おれもー』
3人でバタバタ1階に降りると、すでに出かける直前の親父と夏梨は車に乗り込んでいるようだ。
栗拾いとキノコ狩りだかにいくと言っていた。
オレは特に行きたいとも思わなかったし(昨日の放課後、クラスメイトと野球をやったのだが、張り切りすぎて体中パンパンなのだ)栗なんて小さい冬獅郎にはまだ危ないからと、留守番する事にしたのだ。
冬獅郎には彼女らは『歯医者さんで歯を削るんだ』と言ってある。
キッチンへ行くと、いつもきれいに掃除してあるテーブルにピラフに使うであろう材料が、炊飯器には水を張った米が入っていた。
遊子の説明を聞き逃さないようにしっかり聞くオレの足下では『ぴらふー』と叫びながら嬉しそうに走り回る冬獅郎。
おかげで、余計な単語が間に挟まる
『食べる1時間くらい前にぴらふー炊飯器に材料をいれぴらふーて味付けはこのメモをみてね?そしてぴらふー…』
といった具合だ。
うるさい…。
『おにいちゃんバター入れるの忘れないでね?』
『ああ』
『いつも作るやつとは違うけど、テレビでやってた通りだからきっと美味しいと思うんだ』
嬉しそうに言う妹に、オレは思わず頭を撫でてやった。
ふと材料を見ると、冬獅郎の嫌いなピーマンと人参がとんでもなく細かくみじん切りにされている。
あとはタマネギのみじん切りとカラを全部むいたおおきなエビがたくさん。
マッシュルームの缶詰。
その他調味料。
『これならしろくんもピーマン食べれるかな』
『だな』
ちょっと心配そうに冬獅郎を見る遊子の頭を再びなでてやる。
そんな姉の心配を他所に、冬獅郎はこんどはジュースを欲しがりだした。
プラスチックで出来たキャラクタープリントのコップにジュースを注いでやる。
その間に遊子はお気に入りの防止をかぶって出かける準備を整えていた。
『じゃあ、いってくるね!ピラフたっくさん出来るから残しておいてもいいからね!』
『ああ、わかった』
パタパタと足音も軽く遊子は
玄関から飛び出して行った。
『いってらっしゃあい』
「気をつけてなー』
さて、今日の昼飯はとんでもなく難関なようだが、まだ先の事と決め込んだオレは先程の本の続きを読もうとしたが、外で遊びたいとだだをこねる冬獅郎に付き合って公園へ行く事にした。
つづく。