忍者ブログ
ブログ
[5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『ま…松本…!』
『乱菊さん!』

話に夢中になっていたオレ達の前に、豊満な胸を揺らしながら腰に手を当て、
にこやかに微笑んでいるのは松本乱菊。
かくれんぼで、隠れていた子供を見つけた鬼のように楽しそうな笑みを浮かべてはいるが、その目は真剣だった、

『隊長!ささ!諦めて戻ってください。みんなお待ちかねですよ?』
『誰が戻るか!』
『そんな事言わないでくださいよう!後は隊長が来てくれればパーティ始められるのに…』
『じゃあパーティなんてすんな』
『もう!ずっとここにいる気ですか?』
『明日になったら戻ってやる』
『もーう』

この二人の言い争いには慣れっこだし、いつも乱菊さの応援をする事が多かったオレだが、今日ばかりは冬獅郎の肩を持たねばならない。

『あの…乱菊さん。冬獅郎今日オレんちのパーティにでるって話が…』
『一護はだまってて』
『…はい…』

乱菊さんも本気だ。
まあ、冬獅郎の話の内容からすれば、あっちでは今か今かとおひなさまの登場を待ち構えているだろうから、ここはなんとしても連れて帰りたいだろう。
だが、冬獅郎はいやがっているし、オレもいやだ。

『誰か適当なヤツにおひなさまやらせればいいだろう!』
『隊長よりかわいい子なんていませんもん!』
『かわいいて言うな!』
『かわいいものはかわいいんですから!ほらー時間もなくなっちゃいますよー』
『うるせえ!ぜってー戻らねえ!』

冬獅郎は腕を組み、乱菊さんを睨みつけている。
それを困ったように見下ろす乱菊さん。

『んもー…どうしよう…あいつらから貰ったお金でいいお酒買っちゃったのよねー…』

そういうことか…。

『てめえ…自分の上司を金で売るなよ…』
『あらいやだ!聞こえてました?』
『てめえの独り言はいつもでかいんだよ』
『とにかくそーゆーことですから!』
『い・や・だ!』
『隊長ー…』

とうとう冬獅郎は乱菊さんのシカトし始めた。
まあ…気持ちはわかる…。
だが、このままでは乱菊さんもかわいそうだ。
手ぶらで帰ったら待っているみんなががっかりするのは目に見えている。
この為にカメラを新調した奴らも多いと聞く。
やれやれ…冬獅郎の人気はすごいもんだ…。

『冬獅郎…少しだけ行ってやったらどうだ?』
『は?』
『オレもついて行くからさ…』
『なに言ってんだお前…』
『いや…乱菊さんもこのまま戻れないだろーしさ…なんかまあ…みんなお前を待ってるんだろ?お前は嫌かもしんねーけどさ、すぐ終わらせて後はこっちくれば…』
『さっすが一護!隊長ー、みんなもう待ちくたびれてますよ?一護もああ言ってることですし』
『……』
『夜にはこっちもどれば…』
『ばか!!!!!』
『と、冬獅郎?』
『隊長!』

いきなり叫んだ冬獅郎は、オレ達が呼び止めるのも聞かず窓から出て行ってしまった。

『ど…どうしたんだ冬獅郎…』
『どうしましょう…またにげられちゃったわ…』

開け放たれた窓を見つめたまま、オレと乱菊さんはしばし放心していた。
冬獅郎はおひなさまをやることを、心底いやがっているようだった。
冬獅郎をかくまうと言ったオレが、死神達の味方をしたと思ったのだろうか…。
オレだってそんな危ないところに冬獅郎を戻すのは嫌だが、乱菊さんや純粋に雛祭りを楽しみにしているであろう死神たちがすこしかわいそうだと思って言っただけで…。
オレが一緒に行けばいざというとき冬獅郎を護れるし…。
だが、今度はオレまでもが冬獅郎を完全に怒らせてしまった。

でも、先程出て行った冬獅郎は怒っているというより、少し傷ついたような顔をしているように見えたのは気のせいだろうか…。

とにかく、こうなったら他の死神より先に冬獅郎をみつけなければ… 冬獅郎が…いや、冬獅郎を見つけた鮪が見が危ない。
この街に氷像がいくつも出来てしまう。

『とにかくオレは冬獅郎を探して連れて行きますから、乱菊さんは先に戻っててください』
『…うーん…しかたないわね…じゃあよろしく』

一人部屋にもこされたオレは、冬獅郎を探すべく集中してみるがもともと霊圧をたどるのは苦手だし、きっと冬獅郎は霊圧を完全に消しているだろう。

『何処にいるんだ…あいつ…』

尸魂界に戻ったとは考えにくいから、きっとまだこの辺にいるだろう。
オレは留守をコンに頼むと、冬獅郎と同じように自室も窓からとびだした。

PR
『おい!黒崎!かくまえ!』
『あ?ど、どーした!冬獅郎?』

窓枠が飛んで行くんじゃないかと思うほど勢いよく開けられた窓。
開け放たれた窓の外には、肩で大きく息をする冬獅郎。
その顔は少々青ざめ、恐怖映画でも観たあとの様だ。

オレの質問に答えるのももどかしそうに、慌てた様子で部屋へと飛び込んで来る。

突然の冬獅郎の訪問には驚きはしたが、嬉しさが勝る。
だが、尋常でない冬獅郎の様子に、オレは先程と同じ台詞しか出てこない。

『どーしたんだ?冬獅郎』
『……』

まだ息の整わない冬獅郎は、オレの部屋の床に踞るように座り、『ぜってーやんねー…』とか『あいつらアホか…』などとぶつぶつつぶやいている。

仕方がないので、オレはとりあえず冬獅郎が落ちつくまで待つ事にした。
キッチンへと向かい、温かいお茶をいれてお菓子をもって部屋に戻ると少し落ち着いたらしい冬獅郎はベッドに腰掛け、ぐったりとうなだれていた。

『なんだよ…何かあったのか?そんあ疲れた顔して…』
『あ…ああ…』
『ん?』
『実は……』

話し出した冬獅郎の邪魔にならないように、そっと床に盆を置く。
湯気があがるお茶に冬獅郎の視線が行ったのを確認すると、小さな手にマグカップを渡してやる。
それを両手でもった冬獅郎は、一口お茶を飲むと『ふう』とため息を着いた。

『今日…雛祭り…だろ?』
『ああ…そーだけど。うちも夜はおひなさまパーティだってよ。妹がいるからな』
『女の死神の集まりがあるのを知ってるか?』
『あ?ああ…女性死神協会?だっけか?』
『ああ』

なんでも女性死神協会とやらは、今年の雛祭りに豪華なひな人形を飾ろうと前々から計画をたてていたらしい。
それは、名のある人形師に頼む訳でも、高価で大きなひな人形を買う訳でもなく、等身大且つ本物のおひな様をやる、と言い出したらしい。
桃の節句、女の子のお祭りである為女性は参加せず、男性の死神を集めてお内裏様から五人囃子、更にはおひな様までをコスプレさせようと言うのだ。
女性死神協会のあのメンツにかかれば、男性なんてひとたまりもない。
あっという間に拉致され、着替えさせられ、気がついたら雛壇に縛道で縛り付けられているらしい。
…聞いただけでぞっとする…。
そして、もちろんおひな様も男性から選ばなくてはならない。
おひな様は雛祭りの主役であるから、その辺の男性死神では女性死神達が納得する訳もなく、白羽の矢が立ったのが冬獅郎というわけだ。

…たしかに小さくてかわいいし、お化粧して着物を着せたら…と、オレの妄想が先を急ぐ…。

『それで、逃げて来たってのか…』
『あいつら…ものすごい勢いで追いかけてくるし…捕まったらおひな様っていうか…殺される…』
『殺されるって……』

それはさすがに無いだろうと思ったが、マグカップを握る冬獅郎の手が小さく震えているのを見て、もしかしたら本当かも知れないと思い始めた…。

『でも…まあ…今日一日だろ?さっさと着物着て、なんだ…その写真とか撮って終わらしちまえばいーじゃねーか…』
『やだ』
『…あっそ』
『…お前だって嫌だろ?こんなの』
『まーな…好き勝手いじくられるのはさすがにな…』

冬獅郎は手にしたお茶を一気に飲み干し、先程よりも大きなため息をつくとマグカップをもてあそび始めた。

『なんだよ…どした?』
『ん…最初はな…そんなバカな企画誰が…って思ったんだけど、なんか…男連中もだんだん乗り気になってきやがって、楽しそうに遊んでやがんだよ…仕事もしねえで…』
『そーなんか…?』

世の男性は割と女装が好きなヤツが多いという話は聞いてはいたが、滅多に着ることのない衣装などをきて、テンションがおかしな方向に折ってしまったのだろうか。
オレは絶対嫌だけど…お内裏様ならありか?…などと考えていると、冬獅郎が先を続けた。

『あまりのアホさにぶっ壊してやろうかと思ったんだが、じじいまで楽しそうに眺めてやがるし…あまりにもしつこいからちょっと着替えて、すぐに終わらせてやろうか…とも考えたんだが…』
『お?』

おお…冬獅郎のおひな様…。

『その…なんだ…お内裏様が…』
『あ、そーいや、お内裏様は誰だったんだ?』
『…それが、結構その役は人気だったんだ、で、くじ引きできめたらしいんだが』
『うん?』
『…って別に誰だっていいんだよ!そこじゃねえ!』
『おお…スマン…っていうか、じゃあなんだよ』

話の途中でいきなりキレ出した冬師郎に、おれは少々驚きつつも何がそんなにいやなのかわからず、首をひねる。

『…なんだか…オレがおひな様で雛壇に座ってるい間、くじ引きで決めた順番で代わる代わる…』
『ちょっと待て…順番て…くじで一人を決めたんじゃなかったのか?』
『それが違うんだ…その…何が嬉しいんだか…オレの横に座りたい奇特な奴らがくじ引きして、喧嘩になって…建物一つ吹っ飛ばしたり…とか…』

そこまで話して、冬獅冬は『はぁぁ…』と盛大にため息をつく。

そうか…やつら、冬獅郎のおとなりに座りたくてそんな企画に参加したってわけか…。冬獅郎の隣…。
オレの冬獅郎の…。

だんだんハラが立って来た。

普段は隊長である冬獅郎のすぐ側に座るなんて事そうそう出来やしない。
だが、この「おひな様企画」ならどうどうと隣にすわれるばかりか、うっかり触ったり、お姫様だっこしたがる奴らが出て来るかもしれない。

冬獅郎は自分がどれだけ人気が高いか自覚がない。
純粋に『かわいい』とか『かっこいい』とか、そういう目線で見る女性よりも男性は数倍危ない目で見るだろう…。
かくいうオレもそんな男の一人…なのだが…。

聞けばお内裏様をやるには金も取られるらしい。
さすがは女性死神協会…。

いやいや、そんな事はどうでもいい。
始めはそんなのさっさと終わらせてしまえとおもった オレだったが、話を聞いているうちに冬獅郎の身の危険をひしひしと感じていた。

『じゃあ…今日はオレんち泊まってけよ?オレの家族と一緒にパーティに参加してれば、無理矢理連れてったりはしないだろ?』
『ああ…助かる』

ほっとしたように目線をあげる冬獅郎。
相変わらずかわいい…。
この…オレのかわいらしい冬獅郎を他の奴らになんて絶対に渡すものか…。

そうと決まれば、家族に一人分料理を増やしてもらうように伝えねば…と腰をうかしかけた瞬間。

『あー!いたいた!!!』

良く聞き覚えのある、冬獅郎の副官の明るい声が部屋に響く。

続く…



幼児本をつくりたいw
またか…。
ちっちゃいちっちゃい日番谷くんがかわゆいからわるいのですよ。
一護の足にまとわりついてはなれないちっちゃあい日番谷くんが!



漫画て描くのほんとにむずかしいです。
描きたいものかけたらすてきなのに。
でも今描きたいのは裸エプロン。

3月に出す予定の本。一護がちみっちゃいんですが、そうすると日番谷さんが大きく
見えてなんか嫌ですw
日番谷いっそ120センチくらいになんねーかな。


全裸日番谷描こうとして、その前に知り合いのサイトをちょっと見に…と思って、見てたら、あおろさんが全裸日番谷描いてて、無駄なシンクロにわろたwww

服着せようかと思ったけど、潔くやめてみた。

ってわけで、風邪です…。
ヤバいです。
明日も仕事なのに…。
っていうか、明後日から大阪なのに…。
今日、ペーパーの漫画描こう!と思っていたのですが、あまりの風邪のひどさに諦め、じゃあイラストでも…とおもい真下が、ぐったりしてしまってなかなか進まず、結局何が描きたいんだかわからないエロ絵になってたり。
ぐちゃぐちゃのひどい有様のイラストですが、ペーパーにしてしまえという強行。

風邪のせいで喉が乾き、いつもは健康にきを使って豆乳系のものを飲んだりしているのですが(豆乳嫌いなんですがね)あまりの乾きに今日はだーいすきなアールグレイにして、店のメニューにはホットしか無いので、グラスにてんこもりの氷入れて、アールグレイ注いでごくごく飲みました。
しやわせvvv
この世でアールグレイが一番好きだー!!!
いや…コカコかな?
いやいや、アールグレイだろ!
アールグレイの風呂に入って、アールグレイの匂いでいっぱいの幸せ空間を作りたい。

私は匂いフェチw

アールグレイと地下鉄の匂いをこよなく愛する変人。
渋谷駅の地下5階に住みたいです。



<おとしだま>

冬獅郎が4つになって初めてお年玉というものを貰う事ができた。
まぁ、それまでは貰ってもよくわからないし、お金よりもお菓子を貰った方が本人も嬉しそうだったし。
冬獅郎は親父から渡されたキャラクターものの小さな紙袋を不思議そうに見ていたが、中を開けてみてお金が入っているのに気づき、困ったようにオレをみあげた。

『いちご…』
『よかったな冬獅郎!お!千円ももらったんか!』
『おかね…』
『なんでも好きなもん買えばいいじゃんか!お菓子でもおもちゃでも』
『う…ん』

お金の使い方がまだわからない冬獅郎。
小さな眉を寄せて、手元の千円札をじっと見つめている。

『おまえ…なんか欲しいもん無いのか?』
『ある!』
『だったらそれ買えばいいじゃないか』
『いちごといく!』
『いいぞ、じゃあ後で行こうな』

どうやら冬獅郎が欲しいのは、テレビCMでやっていたおもちゃ。
バイキンマンの喋るおもちゃ。
「アンパンマンやっつけてやるー」
とか
「バイバイキーン!」
とか、頭をたたくとお決まりのフレーズを喋るというもの。
プラスチックで出来ていて、冬獅郎の頭より大きいサイズ。
もしかしたら、千円では変えないかもしれないが、そこは初売りセールに賭ける。
足りなければオレが負担してやればいい話か。
オレはオレで、親父からありがたい事にきちんとお年玉を貰う事が出来ていた。
その中から多少出してもかまわない。
ついでに欲しかったCDをごっそり買ってこようと考え、冬獅郎に負けずうきうきして来た。

早速出かけたオレ達はおもちゃ屋へと向かった。
さすがに正月初売り。
ものすごい子供の数だった。
振り回されている親は、既にうんざり顔。
欲しいものを買ってもらえず大泣きしている子。
買うものも決めず、見本のおもちゃで遊び倒す子。
大きな箱を抱えて嬉しそうな子。

そんな子供達を横目に、オレは冬獅郎がほしがっているバイキンマンを探し視線をさまよわせた。
棚の一角にアンパンマンコーナー。

『冬獅郎、アンパンマンあったぞ』
『バイキンマンがほしーんだ!』
『あ…そ』

どうやら男の子はバイキンマンが好きらしい。
オレはどうだったかな。

棚の隅から隅まで探したが、探し物は見つからない。
棚は所々がごっそり空いているところがあって、もしかしたら売り切れかもしれない。

『ないな…』
『…』
『ちょっと聞いてみよう』

店の人に確認をしたら、やはり売り切れ。
次回入荷は未定。
どうやらCM効果で人気が高いのか、アンパンマンの敵役だから、生産量が少ないのか…。
ま、どちらにしろ今日は諦めるしか無い。

『仕方ないな…今日は帰ろう…』
『やだ!かうんだ!オレのおとしだまでかうんだ!』

始まった。
その場にしゃがんで動かない。

『そんなことしたって無いもんはないんだよ…』
『やだ!かう!』
『わがまま言うなよ…』
『きょうほしい!いまほしい!』
『…お前…いい加減に…』

怒りかけたオレだが、冬獅郎のちっちゃな手に握られたポチ袋を見てしまったら、その後が続かなかった。
初めて貰ったお年玉。
初めて自分のお金で欲しいものが買える嬉しさ。

オレは初めて自分のお年玉で買ったおもちゃの事を思い出していた。
何を買ったかは忘れてしまったが、レジで母親に抱えられ、店員に自分でお金を渡した時。
おつりを貰ったとき。
おもちゃの入った紙袋を受け取った時。
昔の嬉しかった出来事の一つ。

そんなことを思い出してしまったものだから、だだをこねる冬獅郎に対して怒るタイミングを失ってしまった。
黙ってしまったオレを冬獅郎が不思議そうに見つめて来る。

『いちご?』
『ああ…なんでもねーよ、じゃあ…もひとつ向こうのおもちゃ屋とかデパート探してみるか?』
『おう!』

すっくと立ち上がった冬獅郎、お年玉を両手でしっかりと持った姿がとても可愛らしい。
落としてなくさないように注意しなくては。

『冬獅郎、それちゃんとバッグにしまうんだ』
『…ん』
『よし』

きちんと肩からかけたポシェットにお年玉をしまい、オレと冬獅ろうは店を出た。

次の店で見つかるように祈りながら…。


つづく

カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[08/27 ハナ・ザ・ヘルペス]
[08/20 いてや]
[08/19 鼻]
[08/19 いてや]
[08/18 waca]
最新TB
プロフィール
HN:
いてや
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(10/02)
(10/06)
(10/07)
(10/08)
(10/10)
アクセス解析
忍者ブログ [PR]