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『お前いくつになったんだ?』
『さぁ……』

誕生日なんだからといつも冬獅郎に食わせているケーキ屋のケーキではなく
いわゆるデパ地下まで行ってフルーツまみれで生地の全く見えないような
近所のケーキ屋の3倍はする値段のケーキ
いつもの経費(チビの金)ではなくオレの小遣いで買った

フルーツがいっぱいなので一秒でも早く!と帰って
オレの部屋に来ているはずの冬獅郎の元へ

箱を開けてケーキを目にした時の冬獅郎は
目がキラキラしてて、ちいさな口の端から今にもよだれが垂れそうで
ケーキを今すぐ食べたいと思っているであろう冬獅郎をオレがいただきたい

『なー早く切ってくれよ!』
『ばーか!全部お前が食っていいんだよ!』
『マジで?』
『もちろん』

その前にローソクを立てて誕生日らしくしてやろうと思って
聞いた台詞だった

結局本人も分からないようなので
オレの独断で10本立てようとしたら1本折れたから9本
さすがにリンゴには刺さらなかった


『9歳でいっかw』
『ばか!んな訳あるかよ!』

からかいながらフォークを持たせてやると
ざくっといきなり真ん中に積み上げられた苺にフォークを
突き刺す冬獅郎……ちょっと凹むって

でも口いっぱいに入れた苺の果汁を口から溢れさせながら
おいしそうに食べる顔は可愛くて素直に嬉しい
ただ、苺の汁を手で拭っている様なんかをじっと見てしまうと
いかんことを想像してしまって…

『いちご!お前食わねぇのか?』


いや、食べたい
ケーキじゃなくて

『あぁ じゃぁオレも少しもらうよ』
『ほら』

といってフォークに乗せられるだけ色んなフルーツを乗せて
オレの口元へ持ってこられた

いつもは絶対にしてくれない『あーん』だ

『冬獅郎…』
『な…なんだよ!いらねぇのか!』
『いや!食う食う!』
『ほら早く!』

早く食えとフォークを押し付けてくる冬獅郎を見つめながら
大きく口を開けてケーキを頬張る
オレが食った瞬間冬獅郎の頬が少し赤くなったのは
気のせいだろうか

『うまい!』

そういって笑顔を向けてやると
少し恥ずかしそうに上目遣いになった冬獅郎が
もう一回ケーキを差し出してくる

『オレ…こんなに食えねぇし……』

言い訳みたいに言ってますます赤くなってる

いつもオレが食わせてやったり
というか冬獅郎の世話ばっかりしているので
逆の立場になって少しうろたえていて可愛い

ほっぺについたままのカスタードクリームもかわいい
ぎゅうっとフォークを握りしめた手もかわいい
困ったような顔もとんでもなくかわいくて

気がついたらフォークを持った冬獅郎の手首をつかみ
引き寄せてほっぺのクリームを舐めていた

『ちょ!なにすんだよ!』
『コッチのほうがうまいなw』
『なっ!ばか!』

手を振りほどこうとしたはずみでフォークに刺さっていたクリームまみれの
フルーツが冬獅郎の半ズボンから伸びたふとももにべったり

『うわ!』
『あーあ…だめじゃん冬獅郎!もったいねーって……』
『ばばばか!やめろっていちご!』

冬獅郎のふとももに唇を寄せて舌でフルーツを掬いとる

くすぐったがりな冬獅郎はびくん!と体が跳ね上がる

『いちご…』









あー……これはいけない
このまま書いてはいけないw




今日一護のやつからプレゼントだといって
変な形のペンダントをもらった

『なんだこれ?いびつな形だな?』
『いいから!いつもつけててくれよ?』
『わ…わかった…』

真剣に言われてなんでこんなもの着けなきゃならねーんだ
って思いながらも一護からのプレゼントが正直嬉しい

なのに入れの口からは
『もっと役に立つものだったらよかったのに』
とか
『食いもんが良かった』
とかしか出てこない
まぁケーキの箱がすぐそこにおいてあるから
食いもんはクリアか


二人でケーキを食って
(途中でエスカレートした一護には渾身の肘を食らわせておいた)
風呂にはいることにした
ふとももがクリームで気持ち悪かったし
(ほとんど一護が舐めたけど…)


ゆっくり風呂に入って
着替えて

『先に上行ってろよ オレ飲みもん持って行くから』
『あぁ…わかった』

先に一護の部屋に入ってることにする
ベッドに腰掛けて足をぶらつかせながら
ふと一護の机に小さな箱があるのが見えた

『……』

気になってしまって悪いとはおもったが
中身が見たくなって素早く箱のふたを開けた

『……あれ?これ…』

自分の首からさがったペンダントを手に取って眺める
次に一護のと思われる箱の中身 これもペンダントなんだが
それも眺める

(これって…)

そっと一護のペンダントを自分のに近づけてみた

『あ…』

くっつけた二つのペンダントは
一つではあんなにいびつとしか見えなかったのに
並べてみるとちゃんとハートの形になった…
一護のペンダントは大きなハートの真ん中が
複雑なジグソーパズルのとうな形にぽっかり穴があいていて
その複雑な穴の形そのまんまがオレの首からさがってる

『あ!冬獅郎!見ちまったのか…』
『いちご…』

マグカップを二つもた一護が背後から
気まずそうにこちらを見て言う

『なんかお揃いのもんにしたくてさ…でも冬獅郎割れたハートの形とか
いやがりそうだったし 全く同じもんてものなんか…な…
それだったら冬獅郎のは何の形だかわかんねーしフツーに着けれそうだと
おもってさ…』
『……』

こいつなりに足んない頭働かせて選んでくれたらしい
なんだかすごく恥ずかしくなって何も言えなくなってしまった

『冬獅郎?やっぱ嫌だったか?』
『ちがう…』

またオレの心配ばかりする
いつもそうだ
どんなわがままいっても
どんなに不機嫌になっても
ケンカしても
遠くても近くても
いつもいつもオレの心配ばかりする一護

それは一護の性格なのだろうが
そんなにオレは頼りなく見えるのかとたまに本気で思う

『ありがと…』

何をいっても一護はオレのことを一番に考えてくれて
オレはそれに甘えてばっかりで
いろいろ言いたいことはあったけど
今日はケンカもしたくないし 一護に心配もさせたくない

マグカップを机に置きながら
オレの顔を覗き込む一護

『冬獅郎 誕生日おめでとう』

って何歳だか知らねえけど…なんて困ったように笑う一護が
すごくすごく大切に見えた

『いちご!』

自分でもびっくりするくらいの勢いで
一護に飛びついて背中に手を回した

そんなオレの頭や背中や肩をゆっくり優しくなでながら
『冬獅郎…』
とささやく一護

一護の胸に埋めていた顔を離されて
抗議するように見上げると
額にキスされた
次に瞼に 頬に 鼻の頭に
顎に 

そしてゆっくりぎゅっと噛み締めてしまっていた
オレの唇に……












誕生日ネタ…冬コミ用に本作ったのに
違うネタでよろしくどーぞ……

ってか23:30から書きはじめるもんじゃないですね
もう!チビの誕生日おわっちゃうじゃん!!!!!!!!!!
ケーキ買って食べようと思ったのに!
仕事伸びるは 社員の人生相談するはめになるわで
もうこんな時間だよ!
びええ…

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