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『だってあいつが…いちご…いちごのわるくちゆうんだもん……』
『え?おれの?』
『おれがね…いちごひとりじめしてるってゆわれたから、ちがうもんってゆったの!
そしたら…いちごは…おれのことほんとはじゃまだって…ひっく…おれがいなかったらいちごは…っく…もっと…たのしーって……ふぇぇ…』
頑張って話してくれていたのだが、とうとう泣き出してしまった。
優しくなだめつつ、まだ一生懸命話してくれる冬獅郎の話をまとめると、
冬獅郎が入園してから、一護はとても世話のかかる子だというのもあるが、少しかまい過ぎかと思う程冬獅郎の世話を焼いた。
冬獅郎もとんでもなく人見知りだったのだが、一護には過ぎになつき、一日中一護から離れようとしない。
冬獅郎がまだいなかったころは、みんな平等に一護と遊んだりお弁当を食べたりしていたのが、冬獅郎が通ってくるようになってから一護は確かに冬獅郎を贔屓してしまっているのは否定できなかった。それは一護も反省していたのだが、如何せん冬獅郎が一護にしかなつかないというので、周りからも自然の流れで暗黙の了解となっていた。
それが周りの園児達からは「冬獅郎の一護先生独り占め」となったのだ。
そして、「おまえなんかいない方がいい」と言われた冬獅郎はショックを受けて、思わず近くに転がっていた積み木を投げてしまったということだった。
一護としてはどちらが悪いとも言えず、とても複雑だった。
結局悪いのは一護たち大人の方だったから。
『いちご…?おれきらい?…いなくなったほうが…いいの?』
涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて悲しそうに言葉を紡ぐ冬獅郎。
『ばか!んなわけねーだろ!オレは冬獅郎が大好きだよ』
『ほんと?』
ほんともほんと。
はっきり言ってしまえば、一護は異常なくらいこの膝の上で小さくなって縋りついてくる子供が好きだった。
弟のようで、息子のようで…それ以上のなにか。
少し危ないかもしれないと思うくらいに。
『でも…あの子の言うことも分かるよな?』
『…うん』
『みんなとも遊べるようにしなきゃな』
『……』
『もちろん冬獅郎も一緒にだぞ?』
『…え…?』
『冬獅郎さ。帰りはオレと一緒に帰るし、ママが帰ってくるまでおれとたくさん遊べるだろ?』
『うん』
『だから、幼稚園にいるときはみんなとも遊ぼう?』
『…みんなと…?』
『みんなと友達になって一緒に遊べば楽しいし、ケンカなんてしないぞ?』
『いちごもいっしょ?』
『あたりまえじゃん!』
そう言って一護は冬獅郎の頭をくしゃっと撫でた。
冬獅郎は少し不安そうな顔をしながら考え込んでいるようだ。
元々たくさんの人数で大騒ぎしながら遊ぶ子じゃない。
どうしていいのか分からないのだ。
『じゃあ、早速明日みんなで遊ぼうな?』
『う…うん』
まだ少し不安そうだが、とりあえずは頷いてくれたようだ。
『よし、それじゃあ、帰ろう?冬獅郎』
『あ…でも…』
『ん?』
『あし…あしがいたくてあるけないよぉ…』
『え!怪我でもしたのか?』
一護は驚いて問い返しつつ、冬獅郎の足を片方ずつ念入りに調べる。
大きな怪我はしていないようだが、靴も履かずにここまできたのだ、足も痛くなって当然だった。
『ちょっと待ってろ!』
『いちご?』
近くにあった水飲み場で、一護はエプロンを外しそれを濡らした。
すぐにベンチに戻ってまだ片方履いたままだった破れた靴下を脱がせ、両足を念入りに拭いてやった。
『いちご…えぷろんが…』
『洗うから平気だよ。タオルとかないんだ、ごめんな?』
『ううん…』
『よしきれいになったな。
もう一度エプロンを固くしぼって、きちんとたたむと、一護は冬獅郎を抱き上げる。
すぐに冬獅郎の小さな腕が一護の首に巻き付いてきて、可愛らしいほっぺが肩口に埋まった。
『いちご…ごめんなさい…』
『……うん、もういいよ冬獅郎』
だいぶ疲れてしまったのだろう、ゆっくり歩いていると、公園の入り口当たりまで来たところですーすーと可愛い寝息が聞こえてきた。
少し揺らしても起きないことを確認すると、片手で冬獅郎を支え、濡れたエプロンを逆の腕に引っ掛ける。
ポケットからケータイを取り出し、とりあえず幼稚園に連絡を入れた。
冬獅郎が怪我させた子は軽い怪我で済んだようで安心した。
その子の母親もその程度の怪我はいつものことと、笑いながら言っていたらしい。
反対に出て行った冬獅郎のことを心配してくれていたようだ。
電話を切って、冬獅郎をきちんと抱きかかえ直し、また歩き出す。
明日はまずこいつらの仲直りからだな…なんて考えながらすやすや寝入っている冬獅郎の頭に頬を寄せた。
ふわふわの髪が気持ちいい。
ホッとしたら途端に腹が減ってきた。
そう言えば今日は午前で幼稚園は終わりなので、昼はまだだ。
やれやれ…とため息をつきながら、一護は帰りを急いだ。
結局次の日から、またチビちゃんの一護独り占めな日々が続くんだけどね。
わがまま&我慢嫌いだから。
なんだかうまくまとまんないです。
字書きの方はすごいですよね…。本気で尊敬です;;
『え?おれの?』
『おれがね…いちごひとりじめしてるってゆわれたから、ちがうもんってゆったの!
そしたら…いちごは…おれのことほんとはじゃまだって…ひっく…おれがいなかったらいちごは…っく…もっと…たのしーって……ふぇぇ…』
頑張って話してくれていたのだが、とうとう泣き出してしまった。
優しくなだめつつ、まだ一生懸命話してくれる冬獅郎の話をまとめると、
冬獅郎が入園してから、一護はとても世話のかかる子だというのもあるが、少しかまい過ぎかと思う程冬獅郎の世話を焼いた。
冬獅郎もとんでもなく人見知りだったのだが、一護には過ぎになつき、一日中一護から離れようとしない。
冬獅郎がまだいなかったころは、みんな平等に一護と遊んだりお弁当を食べたりしていたのが、冬獅郎が通ってくるようになってから一護は確かに冬獅郎を贔屓してしまっているのは否定できなかった。それは一護も反省していたのだが、如何せん冬獅郎が一護にしかなつかないというので、周りからも自然の流れで暗黙の了解となっていた。
それが周りの園児達からは「冬獅郎の一護先生独り占め」となったのだ。
そして、「おまえなんかいない方がいい」と言われた冬獅郎はショックを受けて、思わず近くに転がっていた積み木を投げてしまったということだった。
一護としてはどちらが悪いとも言えず、とても複雑だった。
結局悪いのは一護たち大人の方だったから。
『いちご…?おれきらい?…いなくなったほうが…いいの?』
涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて悲しそうに言葉を紡ぐ冬獅郎。
『ばか!んなわけねーだろ!オレは冬獅郎が大好きだよ』
『ほんと?』
ほんともほんと。
はっきり言ってしまえば、一護は異常なくらいこの膝の上で小さくなって縋りついてくる子供が好きだった。
弟のようで、息子のようで…それ以上のなにか。
少し危ないかもしれないと思うくらいに。
『でも…あの子の言うことも分かるよな?』
『…うん』
『みんなとも遊べるようにしなきゃな』
『……』
『もちろん冬獅郎も一緒にだぞ?』
『…え…?』
『冬獅郎さ。帰りはオレと一緒に帰るし、ママが帰ってくるまでおれとたくさん遊べるだろ?』
『うん』
『だから、幼稚園にいるときはみんなとも遊ぼう?』
『…みんなと…?』
『みんなと友達になって一緒に遊べば楽しいし、ケンカなんてしないぞ?』
『いちごもいっしょ?』
『あたりまえじゃん!』
そう言って一護は冬獅郎の頭をくしゃっと撫でた。
冬獅郎は少し不安そうな顔をしながら考え込んでいるようだ。
元々たくさんの人数で大騒ぎしながら遊ぶ子じゃない。
どうしていいのか分からないのだ。
『じゃあ、早速明日みんなで遊ぼうな?』
『う…うん』
まだ少し不安そうだが、とりあえずは頷いてくれたようだ。
『よし、それじゃあ、帰ろう?冬獅郎』
『あ…でも…』
『ん?』
『あし…あしがいたくてあるけないよぉ…』
『え!怪我でもしたのか?』
一護は驚いて問い返しつつ、冬獅郎の足を片方ずつ念入りに調べる。
大きな怪我はしていないようだが、靴も履かずにここまできたのだ、足も痛くなって当然だった。
『ちょっと待ってろ!』
『いちご?』
近くにあった水飲み場で、一護はエプロンを外しそれを濡らした。
すぐにベンチに戻ってまだ片方履いたままだった破れた靴下を脱がせ、両足を念入りに拭いてやった。
『いちご…えぷろんが…』
『洗うから平気だよ。タオルとかないんだ、ごめんな?』
『ううん…』
『よしきれいになったな。
もう一度エプロンを固くしぼって、きちんとたたむと、一護は冬獅郎を抱き上げる。
すぐに冬獅郎の小さな腕が一護の首に巻き付いてきて、可愛らしいほっぺが肩口に埋まった。
『いちご…ごめんなさい…』
『……うん、もういいよ冬獅郎』
だいぶ疲れてしまったのだろう、ゆっくり歩いていると、公園の入り口当たりまで来たところですーすーと可愛い寝息が聞こえてきた。
少し揺らしても起きないことを確認すると、片手で冬獅郎を支え、濡れたエプロンを逆の腕に引っ掛ける。
ポケットからケータイを取り出し、とりあえず幼稚園に連絡を入れた。
冬獅郎が怪我させた子は軽い怪我で済んだようで安心した。
その子の母親もその程度の怪我はいつものことと、笑いながら言っていたらしい。
反対に出て行った冬獅郎のことを心配してくれていたようだ。
電話を切って、冬獅郎をきちんと抱きかかえ直し、また歩き出す。
明日はまずこいつらの仲直りからだな…なんて考えながらすやすや寝入っている冬獅郎の頭に頬を寄せた。
ふわふわの髪が気持ちいい。
ホッとしたら途端に腹が減ってきた。
そう言えば今日は午前で幼稚園は終わりなので、昼はまだだ。
やれやれ…とため息をつきながら、一護は帰りを急いだ。
結局次の日から、またチビちゃんの一護独り占めな日々が続くんだけどね。
わがまま&我慢嫌いだから。
なんだかうまくまとまんないです。
字書きの方はすごいですよね…。本気で尊敬です;;
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