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今更というか、やっとというか、ワンピ観てきた。
わかってる展開なはずなのに、ハナたんと二人で号泣してきたw
ちょっぱーぁぁぁぁぁぁ!!!!
そしてやっぱり声優さんはすごいなとおもいました。
昨日のつづき。
しばらく食器の音だけが響き、先に食べ終わった一護がやっぱり軽く視線をさまよわせながらアイスティーをすすっている。
オレはもう食欲もなくなって、フォークを置いた。
その様子に気づいた一護が、いつもなら『もうくわねぇのかよ』とか『残すなよ!ったくほら…オレが食うから寄越せ!』とか言ってくるのだが、今日はちらりとオレの残した食事に視線を走らせただけで、何も言ってはこなかった。
気まずいような雰囲気のなか、オレもオレンジジュースに口を付け、思いっきり吸い上げた。
『げほっ……』
へんなとこにジュースが入ってしまい、むせてしまった。
苦しんでいるオレに、一護が手を伸ばしてきたが、すぐに引っ込め、『大丈夫か?』
とだけ聞いてきた。
『ん…』
『じゃあ…帰るか』
一護が支払いをするために立ち上がり、さっさと出口へ向かう。
オレもまだ少し咳き込みながら、後を追った。
外にでて、無言で歩く。
一護の様子をうかがうと、機嫌が悪いようでもなく、ただ寂しそうだった。
いつもいつも優しい一護。
オレだって一護に甘えられるもんなら素直にそうしたい。
だけど、オレの変なプライドが邪魔をしてなかなか甘えることが出来なかった。
普段は軽口をたたきつつ笑いながら、愛想の無いオレに突っ込みを入れてくる一護だが、やはりオレはそれにも無愛想に返すか、からかわれたことに噛み付くかしかしていない。
必ず後から反省して落ち込むのだが…。
あんまりにもオレが一護に対していつもつっけんどんなので、さすがに一護も怒ってしまったのだろうか…。
そう思ったらまた胸がぎゅうっと締め付けられるみたいに苦しくなった。
人に甘えることなんて恥ずかしいし、情けないと思うのに、一護は甘えてこいという。
死神で多くの隊員を従えているオレには、普段の生活に甘えなんて許されないから、どうしていいかもわからない。
そりゃ…大昔は雛森に甘えたり、ばぁちゃんに甘えたりもしたけど。
あんまり昔過ぎて忘れた。
でも…。
少し前を歩く一護の背中を見る。
なんだかわからないもやもやした気持ちが胸にたまって、吐き気がする。
呼吸を整えようと立ち止まり、思い切り深呼吸していると、一護が振り返った。
泣きそうな顔だった。
『冬獅郎?』
『いちご……』
また吐き気が襲ってきて、もう一度大きく息を吸い込み、吐き出す。
『なんだよ…具合でもわるいんか?』
『……』
自分は泣きそうな顔をしているのに、オレの心配をしてくれる。
『冬獅ろ…』
『お前…なんて顔してんだよ…』
『え…?』
『……泣きそう…』
なんだかもう耐えられなくなって、オレは思いっきり一護に抱きついた。
突然のことに一護はびっくりした様子で、大きくよろめいたが、すぐに態勢を立て直し、オレを受け止めてくれた。
『と…冬獅郎?』
『ばか…』
『え…』
『そんななきそうな顔すんなよ!』
『そんな顔してねーって…』
『してる!』
恥ずかしくて顔をあげられないまま、勢いに任せ一護の背中にまわした腕に力を込めた。
大きくて大好きな一護の温かい手が、オレの背中にまわされて、優しく撫でてくれる。
オレまで泣きたくなった。
『ごめ…』
『ん…?』
『いちご…ごめん…』
『…いーよ…』
一護にあんな顔をさせたことが苦しくてしかたなかった。
オレは一護の笑った顔が大好きだから。
悲しい顔なんてみたくないのに、そうさせてしまったのがオレだなんて悔しくて悲しかった。
『なぁ…一護…』
『ん…?』
『行きたいとこ…ある…』
『ん…どこ行きたい?』
『ゆーえんち…』
『遊園地か…そっか…』
おそるおそる一護の顔を伺うと、泣きそうなのに、とてもあったかくて優しい表情だった。
オレと目が合うと、にっこり微笑んだ。
『明日さ、いこっか?』
『…うん』
『じゃ、今日は早く寝よう』
『うん』
『冬獅郎の苦手な早起きだからな』
『…ん』
『行こう』
少し恥ずかしかったけど、自分のちょっとした望みを伝えただけでさっきまでの吐き気ももやもやも、全部なくなった。
代わりに、すごくくすぐったい感じが全身に広がって、思わず一護から目をそらした。
くすりと笑った一護が、手を差し出してくる。
その手を握り返して、そのまま再び歩き出した。
『ありがとな…冬獅郎』
『……』
『無理させてごめんな?』
『…無理なんて…』
ただちょっと…すごく恥ずかしいだけだった。
でも、たったこれだけのことで、一護が喜んでくれたことに驚いた。
オレはもうちょっと自分の気持ちを、一護に伝えられるようにした方がいいのかもしれない…と真剣に考える。
ちょっとした言葉や、行動で確かめ合える何かがあるのなら。
好きとか、愛してる、とかなんて、絶対に言えないのはわかっているから…
だったら少しくらい子供っぽくても、欲しいとか、行きたいとか…それでいいなら。
『一護…遊園地行ったらあれ乗りたい』
『あれ?あれってなんだよ』
『あの、ぐるぐる回るやつ』
『おう!朝イチで行ってすっげ乗ろうぜ!』
すかり笑顔の戻った一護に、心の中で(単純な奴)なんて思いながらもオレも少し前進した一護との関係がうれしかった。
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