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まー何があるかわからないですねー。

といっても大した事ではないんですが。

すごい好きな店の店長を永久にやっていい権利。
もらた。

だが、これを引き受けると、目に見えてるのはオタ活動の縮小…もしくは休止。

でもオタとると、行きたくないお店で働く義務。

夏コミ直前になんつー究極の選択だっつー話だ…。




『冬獅郎!綿アメとリンゴアメどっちがいい?』
『…どっちでもいーよ…』
『じゃあお前は綿アメな?オレリンゴアメにすっから、欲しかったら言えよ?』
『…ガキじゃあるめーし…』
『でもお前好きじゃん』
『好きじゃねーよ…』
『強がんなよー。…ほら、綿アメ!溶けやすいから気をつけろよ』

何かと冬獅郎の世話を焼きたがる一護。
そんな彼をうっとおしいと思いながらも、嬉しくなくもない…と思う冬獅郎。
いくら『子供じゃない』と言い張ったところで、やめてはくれない。
最近ではもう慣れてしまって、あまりにも子供扱いされる時意外は、素直に受け入れていた。

一護のいった通り、綿アメはすぐに溶け始めた。
綿アメが巻き付いている割り箸を持った手に、ポタリと溶けた砂糖が落ちてくる。

『うっわ…べたべた…』
『だから気をつけろって言ったろ?』

そう言って一護はアメを持ったままの冬獅郎の手を引き寄せ、砂糖を舐めた。

『や、やめろって!』
『いーじゃん…手洗うとこここら辺に無いし、オレ、お手拭きなんて気の利いたもん持ってないし』
『そ…そーゆー意味じゃねーよ』
『それより、あっち行こうぜ。花火よく見える穴場っぽいとこあんだよ』

一護は大きな木が多く生えている林のような所を指差した。
木は背が高く、とても花火が見やすい様には思えなかったが、一護が自信ありげに言うので、冬獅郎は素直にしたがい、一護の後を着いて行った。
だんだんと人の数が減り、当たりも静かになった。
どんどんと木の合間を進む一護。
冬獅郎は当たりを見回しながら歩いていたが、やはり木が生い茂り、空は真上にしか見えない。

『どこまで行くんだよ…これじゃ花火見えないじゃないか』
『こっちこっち!ほら!』

しばらく進むと、突然視界が開け、木の生えていない広場のような場所に出た。
そこは何か建物が会ったような形跡があるが、今はぼろぼろに崩れてしまっていて、どんな建物だったのかはわからない。

『あー…穴場だとおもったのにな…』

一護が小さくつぶやく。
昼間下見をした時にこの場所を見つけたのだが、同じ事を考える輩が伊阿多用で、数組のカップルが既に場所を陣取り、花火を待っている様子だった。

よく見るとここは高台になっているようで、遠くの眼下に街の灯りが見える。
この場所には祭りの灯りも届かず、足下も頼りないくらいに暗かった。
なので、何組のカップルがいるのかはよくわからなかった。

『せっかく冬獅郎といちゃつけるとおもったのによー…』

何やら一護が小声でぼそぼそ言っていたが、冬獅郎は聞こえないふりをした。
こんな野外でいちゃつくなんて、冗談にも程がある…と思ったが、今日の自分の格好を思い出し、ついでに松本からの言葉まで思い出した冬獅郎は、急に胸の鼓動が速くなるのを感じた。
こんなに暗いし、周りはカップルだらけ。
おまけに自分は、認めたくはないがどこからどう見ても、小柄な女の子にしか見えていない。
ドキドキしたり、イライラしたりと忙しい冬獅郎をよそに、一護は少しでもいい場所をと当たりを見回し、落ち着ける場所を探しているようだ。
冬獅郎はだいぶ小さくなた綿アメを一気に口の中に詰め込みながら、目だけで一護を追っていた。
しばらくうろうろした一護は、崩れた建物の向こうに、二人で座れるくらいの倒れた柱を見つけた。
座ってみるが、視界は悪くなさそうだし、体重をかけても壊れそうも無い。

『冬獅郎!ここにしようぜ!』
『あ…ああ…』
『ほら、隣座れよ』
『…』

ここもまた、先程テントの中のように、体を密着させなければ座れないくらいに狭い。
いっそ立っていようかと思ったが、慣れない浴衣に歩き疲れたのもあって。冬獅郎は諦めた様に一護の隣に腰を下ろした。
一護はぎりぎりまで端に寄ってはくれているが、やはり狭い。
二人の腕がしっかりくっついてしまう。

『ちょっと狭かったかな…』
『…あぁ…』
『ま、しかたねーか…ちょっとここ来るのおそかったみてーだしな…』

そう言いながら一護は冬獅郎に接した左手を一旦大きく上げ、そのまま冬獅郎の背中に添えて来た。
その一護の動きに気付いていた冬獅郎だったが、いつもの様に払いのけたり、逃げたりはしなかった。
今日は何だか自分がおかしい。
やっぱりこんな格好のせいだ。
そんな事を思いながら、綿アメの無くなった割り箸をくわえ、落ち着かなげに噛んだり、舐めたりしていた。
その様子を見ていた一護は、先程自分の為にとかったリンゴアメを差し出した。

『そんなんいつ前もくわえてねーで、これ食ってろよ』
『…それ…お前のじゃん…いらねーよ…』
『いいって、お前さっきのメシも実はあんまし食ってなかったろ?』
『……食ったけど』

確かに先程の食事は、最初こそ割と食べていたものの、一護の隣に移動してからは、それどころではなく、あまり箸が進まなかった。

『それに後でまた帰るし…土産にもいっぱい買ってこーぜ』
『あ…うん…』

もらったアメを袋から出し、口に運ぶ。
暗い中でよくは見えないが、一護は微笑んでこちらを見ているようだ。

冬獅郎は、一護の笑顔がとても好きだったが、普段は恥ずかしくて、まじまじと見る事はない。
一護は自分にまっすぐに視線を向けてくるのに、いつもそれをかわしてばかりだった。
アメをなめつつ、そっと一護の顔に視線を移してみた。
うっすらと見える一護の笑顔。
思わず跳ね上がる心臓。
鼓動が速くなって、触れた箇所からそれが伝わらないかと、内心焦ってしまう。
今自分はとても恥ずかしい顔をしているだろうなと思いつつ、冬獅郎はこの闇に感謝した。

そのとき、頭上で大きな花火があがる。
同あら今夜の祭りのクライマックスとない花火が始まったようだ。
10号玉の巨大な華が夜空に咲いた。
辺りは明るくなり、その瞬間お互いの顔がよく見えた。
冬獅郎に微笑みをむけたままのままの一護。
顔を真っ赤にしながら、一護を見上げる冬獅郎。

見つめ合う二人が、花火に照らされ、浮かび上がる。
すぐに冬獅郎は視線を外し、花火の消えた夜空を見上げる。
蓋タブ辺りが闇に包まれると、一護は冬獅郎の背中にまわした腕に力を入れ、そのまま小さな体を引き寄せた。

『冬獅郎…好きだよ…』

小さく耳元で囁枯れたその声に、金縛りにあったように動けなくなる冬獅郎。
2初女の花火が家上がり、再び花火に照らされた冬獅郎の顔は、持っているりんご飴よりも、更に真っ赤に染まっていた。



もうちょっと…つづこうかな…。






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