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かわいいかわいいかわいい。
桃たん結婚してください。
『ぬいぐるみ』続き
子供服屋がたくさん並んだフロア。
ちらちらと覗きながら歩くが、やはり目移りしてしまう。
一度全ての店をのぞき、マフラーのコーナーを一つ一つ見て回ることにした。
小さい子供用のマフラーなんてそんなに無いと思っていたのだが、それは大きな間違いで、デザインも色も多くオレは更に迷ってしまう。
このままでは先に進まないと思い、オレはまず色から考える事にした。
赤…、あお……黄色…やはり子供の好む色は原色やピンク水色といったものが多い。
だが、冬獅郎のせっかくの誕生日プレゼントなので、少し変わったものにしたかった。
ふとその時目に入った薄いグリーンの色。
冬獅郎の瞳の色に近い。
手にとってみると手触りもかなり良かった。
なかなか無い色と手触りにすっかり気に入ったオレはコレに決めようとレジへ向かおうとした。
だが、そのマフラーが置いてあった棚の上に、帽子が山積みになっていたのだが、そこに今オレが手にしているマフラーとお揃いの毛糸の帽子があった。
『……』
このマフラーと帽子をセットでつけている冬獅郎を想像し、一人にやにやしてしまったオレだが、はっと我にかえり、帽子を手に取る。
『おっと』
そういえば値段を確認していなかった。
『……げ…』
自分の今いる店はどうやらすこーしセレブなお店だったらしい。
店内を見回すと、子供が持つのか?と思う様なおしゃれな小物やバッグがあり、服もカジュアルというよりフォーマルにちかい。
マフラーと帽子を合わせると、予算の倍以上になってしまう。
ケタが変わってきてしまうのだ。
『……うう…』
帽子とマフラーを持ったままたっぷり10分同じ棚の前でぴくりとも動かないオレに、とうとう店員が話かけてきた。
『どうされました?何かお探しですか』
お探しも何も、見ればわかるだろう。
どう見ても貧乏な高校生が、商品を手に持って悩んでいるのだ。
『あ…いや…あの弟のプレゼントなんすけど…その…予算が…』
『あら…』
店員のおねーさんは『ふふ』とおかしそうに笑う。
すいませんね、貧乏で。
『それ…新商品で、今日入荷したばかりなんです。そのお色はとても珍しいから…』
すぐ無くなるとでも言いたいのだろう。
マフラーだけ早く買ってしまえばいいのだが、どうしてもセットで冬獅郎にあげたい。
だが、やはり金は足りない。
帰って親父から借りる事も考えたが、家にはあの子がいる。
また振り切って出てくるのは嫌だ。
ケータイで呼び出そうか…などと考えていたら、店員が更に話かけてくる。
あぁ…もうほっといてくれ…。
『良かったらおとり置きしましょうか?』
『へ?おとり置き?』
ほっといてくれなんて言ってすんません。
『1週間でしたらこちらでその商品をおとり置きしておきますよ』
『そうなんですか…』
1週間…死ぬほど遊子の手伝いをして、小遣いを前借りして……なんとかなるかも…。
『あ…はい!じゃあこの帽子をお願いします』
『はい、かしこまりました。では、そちらのマフラー、お包みしますね』
『…お願いします』
そうして、なんとかマフラーのみ本日はお買い上げ。
空っぽになった財布が少し寂しかったが、冬獅郎の喜ぶ顔が見れるかと思うとそんな事はすぐに吹き飛んだ。
可愛らしくラッピングされたマフラー。
持って帰ろうとしたオレに、店員がはっとしたように声をかけて来た。
『良かったらそのマフラーと帽子、一緒にお包み出来るようにしておきますか?』
バラバラにあげるよりその方がいいと思ったオレは、その提案に乗りマフラーも一旦店に預け、手ぶらで帰る事にした。
帰ったとき何も持っていない方があいつにも隠しやすい。
何なら一緒に取りにこよう。
何だかものすごくうきうき下気分になったオレは、他人から見たらとても気持ちの輪類であろう笑みを浮かべながら帰路についた。
つづくのー
桃たん結婚してください。
『ぬいぐるみ』続き
子供服屋がたくさん並んだフロア。
ちらちらと覗きながら歩くが、やはり目移りしてしまう。
一度全ての店をのぞき、マフラーのコーナーを一つ一つ見て回ることにした。
小さい子供用のマフラーなんてそんなに無いと思っていたのだが、それは大きな間違いで、デザインも色も多くオレは更に迷ってしまう。
このままでは先に進まないと思い、オレはまず色から考える事にした。
赤…、あお……黄色…やはり子供の好む色は原色やピンク水色といったものが多い。
だが、冬獅郎のせっかくの誕生日プレゼントなので、少し変わったものにしたかった。
ふとその時目に入った薄いグリーンの色。
冬獅郎の瞳の色に近い。
手にとってみると手触りもかなり良かった。
なかなか無い色と手触りにすっかり気に入ったオレはコレに決めようとレジへ向かおうとした。
だが、そのマフラーが置いてあった棚の上に、帽子が山積みになっていたのだが、そこに今オレが手にしているマフラーとお揃いの毛糸の帽子があった。
『……』
このマフラーと帽子をセットでつけている冬獅郎を想像し、一人にやにやしてしまったオレだが、はっと我にかえり、帽子を手に取る。
『おっと』
そういえば値段を確認していなかった。
『……げ…』
自分の今いる店はどうやらすこーしセレブなお店だったらしい。
店内を見回すと、子供が持つのか?と思う様なおしゃれな小物やバッグがあり、服もカジュアルというよりフォーマルにちかい。
マフラーと帽子を合わせると、予算の倍以上になってしまう。
ケタが変わってきてしまうのだ。
『……うう…』
帽子とマフラーを持ったままたっぷり10分同じ棚の前でぴくりとも動かないオレに、とうとう店員が話かけてきた。
『どうされました?何かお探しですか』
お探しも何も、見ればわかるだろう。
どう見ても貧乏な高校生が、商品を手に持って悩んでいるのだ。
『あ…いや…あの弟のプレゼントなんすけど…その…予算が…』
『あら…』
店員のおねーさんは『ふふ』とおかしそうに笑う。
すいませんね、貧乏で。
『それ…新商品で、今日入荷したばかりなんです。そのお色はとても珍しいから…』
すぐ無くなるとでも言いたいのだろう。
マフラーだけ早く買ってしまえばいいのだが、どうしてもセットで冬獅郎にあげたい。
だが、やはり金は足りない。
帰って親父から借りる事も考えたが、家にはあの子がいる。
また振り切って出てくるのは嫌だ。
ケータイで呼び出そうか…などと考えていたら、店員が更に話かけてくる。
あぁ…もうほっといてくれ…。
『良かったらおとり置きしましょうか?』
『へ?おとり置き?』
ほっといてくれなんて言ってすんません。
『1週間でしたらこちらでその商品をおとり置きしておきますよ』
『そうなんですか…』
1週間…死ぬほど遊子の手伝いをして、小遣いを前借りして……なんとかなるかも…。
『あ…はい!じゃあこの帽子をお願いします』
『はい、かしこまりました。では、そちらのマフラー、お包みしますね』
『…お願いします』
そうして、なんとかマフラーのみ本日はお買い上げ。
空っぽになった財布が少し寂しかったが、冬獅郎の喜ぶ顔が見れるかと思うとそんな事はすぐに吹き飛んだ。
可愛らしくラッピングされたマフラー。
持って帰ろうとしたオレに、店員がはっとしたように声をかけて来た。
『良かったらそのマフラーと帽子、一緒にお包み出来るようにしておきますか?』
バラバラにあげるよりその方がいいと思ったオレは、その提案に乗りマフラーも一旦店に預け、手ぶらで帰る事にした。
帰ったとき何も持っていない方があいつにも隠しやすい。
何なら一緒に取りにこよう。
何だかものすごくうきうき下気分になったオレは、他人から見たらとても気持ちの輪類であろう笑みを浮かべながら帰路についた。
つづくのー
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