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大変だw
年末から春までは恋のイベントラッシュだね。
頑張れ一護!
『ぬいぐるみ』
もうすぐ冬獅郎の誕生日。4回目の。
ちゃんと大きくなるんだろうか、と少し心配になる位小さな冬獅郎。
別に小食な訳でもなく、好きな者となれば吐くまで食う。
とにかく、もうすぐあの子の誕生日ということで、家族で話し合い、プレゼントを決める。
話し合うのは、あげる者がかぶらないようにするためだ。
だが、まだ小さい妹達は親父とともに買う事にし、オレだけ一人で問うし郎へのプレゼントを買う事にした。
妹達と親父が買って来たのはおおきなおおきなぬいぐるみ。
白くてふわふわのウサギ。
立たせたら間違いなく冬獅郎よりもでかい。
そんなぬいぐるみを一生懸命だっこする姿を想像して、一瞬オレは頭が宇宙旅行へ旅立ったが、自分も早く決めねばと買い物へ行く事にした。
ついてこようとする冬獅郎を、学校に行くからとなんとかなだめて妹達と留守番をさせる。
きゅっと福野裾を掴んだ手。眉を八の字にして上目遣い。
いかん…負けそうになる…。
その可愛さに思わず抱き上げたくなる衝動になんとか勝ち、オレは勢いよく玄関から飛び出した。
まず向かったのはおもちゃ屋。
しかし、店内のあまりの広さに2つほどブロックを回った時点で疲れてしまう。
とりあえず店を出て、カフェに入り落ち着いて考える事にした。
ぬいぐるみは親父達があげるから却下。
おもちゃといっても、本人が実際に選ばないと、好まれるかどうかわからない。
食べ物なんて無くなってしまう者もなんだかさびしい。
…オレの持ち金で買えて、かつあの子に気に入ってもらえて、そして実用的でいつも持っていてくれそうな……。
なんだか落ち着いて考えてみたものの、考えれば考えるほどハードルが高くなる様な気がした。
その時ふと目に入った光景。
外を寒そうに歩いていた子供が、突風が吹いたときにあまりの寒さにか、首をすくめ立ち止まってしまった。
慌てて母親が自分の巻いていたスカーフを子供の首に巻いてやろうとする。
だが、子供は、花柄のいかにも女物と井追ったスカーフを巻くのが嫌なようで、必死に抵抗している。
だが、寒さに負けたのか、母親の説得に負けたのかはわからないが、おとなしくスカーフを首に巻き、恥ずかしそうに母親と手をつないで歩いていった。
『そっか…あいつマフラー…』
そういえば冬獅郎は去年の冬、というか春先だが、いつも巻いてやっていたマフラーをダメにしてしまったのだった。
理由は、ふわふわのマフラーの感触が好きな冬獅郎は、巻いてやるとすぐに顔を埋めたり触りまくる。
お気に入りのそのマフラーを家でも離そうとせず、巻いたまま食事しようとするし、寝るときも巻きたがった。
だが、そんな使い方をしていたので、酷使されすぎたマフラーは哀れ冬獅郎のよだれやら、飲み物の汚れやらですっかりダメになってしまった。
クリーニングに出そうとしても、絶対に渡してくれないため、春までそのまま放置していたのだった。
そして、暖かくなり、冬獅郎の興味がマフラーから公園に写ったとき、こっそり捨てておいたのだ。
予想以上に汚れ、破けて毛玉だらけで、あの買った当時のふわふわ感はどこ絵やらという有様だったからだ。
今年もそろそろマフラーを巻いてやらないと、あの小さな体と細っこい首が寒そうで見ていられなくなる。
そうと決まれば善は急げ。
オレはショッピングモールの子供服コーナーへと急いだ。
つづくー。
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