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『一護…あちぃ…』
『あー…あちぃな…』
『なんとかしろよー』
『つっても、オレの部屋クーラーねぇし…ってか、まだ春だぜ?お前夏どーすんだ?』
『帰る』
『帰る…って…まぁ…』
『もうしばらく現世にはこねぇ!』
『ちょ…おま…しばらく…って、んな…だって、あっちだって夏は暑いだろ?』
『…お前の暑苦しい顔見なくて済むだけ、涼しい…』
『…てめぇ…』
『…本気にすんなよ…ガキだな…』
『…冬獅郎に言われたかねえよ…お子様め…』
『うっせ…』
しかたなく、暑い暑いとうるさい冬獅郎の為に一護はコンビニに買い出しへ。
アイスを買い物かごへ山ほど積み上げ、レジで清算する。
『3580円でございます』
『あ…はい』
なんだかパシリな気分になって、小さくため息。
アイスが溶けないように急ぎ足で家にもどる。
二階の自分の部屋に入ると、ベッドに突っ伏した冬獅郎。
暑さに疲れて寝てしまったらしい。
『アイス買ってきたぞ!』
『うー…食う…』
『ほら!どれがいいんだよ!』
『なんでもいい』
袋から一つを適当に選んで、冬獅郎に渡す。
アイスが大好きな冬獅郎は、2つ3つとアイスを食べ続けている。
勢いで食べていたようだが、さすがに寒くなってきたのか、食べる手を止めて足を丸めて寝転んだ。
『お前食い過ぎだろ…』
『うるせぇ…』
『腹壊すぞ?」
『壊さねえよ…』
『…お前ねるなら、ちゃんと布団かけて寝ろよ?』
『んー…』
『…ったく…』
本当に良く寝る奴だと思いながら、一護は床に寝転んでしまった冬獅郎を抱え上げ、ベッドに運ぶ。
やはり、アイスを食べ過ぎて、手や足の先が冷えて冷たくなっている。
もう既に眠ってしまった冬獅郎にタオルケットをかけ、頬を撫でた。
今日は暑かったでつねー^^
夏がだいすきっこのあたしとしては嬉しい限りですが、薄着に向かってのダイエットが間に合っておりませぬ……;;
時よ止まれってんだ!
幼稚園から帰ってきた冬獅郎が元気が無い。
…というより、拗ねている。
今日、幼稚園で来月に行われる園児達の発表会の練習のときだった。
冬獅郎の組は劇をやることになっていて、さらわれたお姫様を助ける王子様の物語なのだが、お姫様役をやる予定の女の子が、急に親の転勤で引っ越しをしてしまうことになり、劇に参加することが不可能になってしまった。
それで、代わりの子を探さなくてはならなかったのだが、あいにくお姫様役の女の子はとても体が小さくて、他の子ではせっかく用意したドレスが着られない、
新しく作ればいい話なのだが、引っ越しをしてしまう子が、堂してもそのドレスを使ってほしいとお願いをしてきた。
お母さんと二人でデザインを考え、一生懸命作ったものだからだ。
それに、来月の劇はその子も必ず見に来ると言っていたので、仕方が無い。
そこで、白羽の矢が立ったのが冬獅郎。
その女の子よりも少し小さい。
幼稚園で、この用意されたドレスをきられるのは、冬獅郎だけだった。
渾身の力で嫌がった冬獅郎だが、周りの説得(主にオレの)と、泣きながら『あたしのドレスを来てほしい!』と言う女の子に負け、とうとう承諾してくれたのだ。
試着させてみると、案外…というかものすごく似合っていて、オレはにやけた顔を他の人に見られないようにするので精一杯だった。
冬獅郎は仕方なく今日から台本どおりの台詞を覚えなくてはならなくなってしまったし、当日まであまり時間がないので、毎日オレと練習をすることになった。
頭のいい子なので、台詞は巣食い覚えるのだが、いかんせん言葉遣いや、仕草が恥ずかしくて嫌なのか大きな声を出さなくては行けない場面でも、棒読みで蚊の泣くような声しか出さない。
やれやれ…もう来週には通しで練習しなくてはならないのに…。
冬獅郎をその気になせるにはどうしたらいいのだろう…。
オレのため息は出尽くすことはなかった。