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なんかものすごいお久しぶりな気がします…。
昨日おとといと40の熱が出続けておりまして、臥せってました。
今日の朝方に突然平熱にもどりまして、なんとか復活出来そうなかんじです。
まだ視界がぐらぐらしてたり、節々が痛かったりですがなんとかなるだろう。
風邪は年末から軽くひいていて、喉が痛かったり、だるかったりはあったのですが、たいした事はないだろうとたかをくくっていたわけです。
いつものあたしの風邪は喉から始まるフルコースなので、熱が出なかったからと軽くみてました。
大阪行く前に一緒に行くまっちーも風邪で、二人して大阪で食い倒れて帰ったらけろりな方向で!とかいってたのに…。
大阪まではただの風邪だった気がするんですが、東京ついたら悪化してたので、もしかしたらインテでいんふるえんざもらったかなあ………と。
おとといの夜から今日の朝まで、汗買い手は着替え続けてたら、家中洗濯ものだらけで、おもしろいことになってます。
いい加湿だっつーの…。
とにかくムリは禁物です…。
熱にうかされつつ観たレッドクリフ、金城さんのエロエロしさと小喬の美しさにやられましたね。
でも、やっぱり赤壁を2部作で片付けようなんて無理なはなしですよ…。
<お年玉2>
あれから何件か店を回った。
大きなおもちゃ屋から、小さなとこも、行ける範囲で探しまわった。
だが、どこにも探しているバイキンマンはいなかった。
店を回る度に元気の無くなる冬獅郎。
いたたまれなくて、抱っこしてやろうとしても、オレの手を払いのけてしまう。
もうだいぶ疲れているだろうに。
大体オレらで行ける範囲は行ってしまった。
電車で遠くまで池場あるかもしれないが、もう時間も時間だ。
夕日がとてもきれいだ。
『冬獅郎、今日は帰ろう?さすがにもう夜になっちまうし』
『…うん』
おお…やけに素直だ…。
それだけ疲れたってことだな。
『ほらおんぶしてやるからおいで』
『ん…』
背中を向けてしゃがんでやると、もぞもぞとオレの背中に上って来る冬獅郎。
立ち上がって歩いていると、小さくすすり泣く声がする。
聞こえないふりをして歩く。
家についた時にはオレの背中で眠ってしまっていた冬獅郎。
申し訳ないが、一旦起こして飯を食わせて、風呂にいれなければ。
『冬獅郎、ご飯だぞ』
『いらない…』
『ご飯グラタンだってさ』
『…たべる』
なんてかわいい。
その後風呂に入った冬獅郎は、相当疲れていたのだろう、あっという間に眠ってしまった。
もう、ちょっとやそっとじゃ起きそうもない。
オレは一息ついてリビングに降りると、妹達と親父に今日の事を話した。
『ま…しばらくすりゃあたらしく入荷されるだろーし、もしかしたら、あいつの事だから、3日後には飽きてるかも』
『そんなぁ…かわいそうだよー。でもそんなに人気あるんだねえ』
『なー…』
『おい一護…ちょっとあそこ行ってみねえか?』
『あ?どこだよ?』
『ほら…隣のショッピングモールだよ。車が無いと不便だから滅多に行かねえだろ?』
『あぁ…あそこな…』
確かにオレには車なんて運転できねーし、そんなとこ考えもしなかった。
かなり大きなショッピングモールで、にぎわっているらしいのだが、高校生のオレには縁がない。
『ちょっと今から行ってみねえか?』
『今からかよ…』
オレも相当疲れていたし、出来る事ならもう外には出たくない。
『おにいちゃん…売り切れちゃうかもしれないよ?』
『そうだよ!もしかしたらあるかもしんねーのに!』
『あたしおうちいるから、おとーさんとお兄ちゃんといってきなよ』
『うー…ん』
『よし!一護!行くぞ!』
『わかったよ…』
確かに、もしかしたらあるかもしれないし、なかったとしてもここまでやったのなら諦めもつくか…。
それに、早く冬獅郎の喜ぶ顔が見たい。
そのショッピングモールは夜10時までということで、今から行っても十分間に合う。
親父と二人車を飛ばしていざバイキンマンを求めて。
何だか情けないが。
正月の飾りがこれでもかとごてごて置かれた店内。
こんな時間だというのに結構人がいて驚く。
オレはまっすぐおもちゃ売り場へ。
……あった!
『あった…』
『なに!ほんとか一護!』
『これだ…』
『ほおお…』
男二人がバイキンマンを持って感激の声を上げる姿はさぞ気持ちの悪いものだろう。
しかしそんな事は気にしていられない。
早速それをレジに持って行く。
やはり千円では足りず、オレが千円、後は親父が出してくれた。
『それ…一護からのお年玉ってことにしてやれよ』
『んぁ…でも…』
『金のことなら気にすんな。その内出世払いしてくれりゃ』
そういってにかっと笑うおやじ。
全くうちの家族は…オレは幸せものだとつくづく思う。
家に帰ると遊子と夏梨が玄関まで出迎えてくれた。
不安そうな顔をしていたが、オレの手にある箱を見てホッとしたようだ。
『よかった!あったんだね』
『ほんとよかったなー』
『あぁ…冬獅郎は?』
『ぜんぜん起きてこなかったよ。疲れてたんだね』
『そっか』
あれだけ歩き回れば疲れるだろう。
今日は目一杯寝ればいい。
オレも寝たい。
オレからの(半分は親父からだが)お年玉は明日渡す事にして、オレは風呂に入ってベッドに飛び込んだ。
ものの数秒で眠りに落ちるほどオレも疲れていたようだった。
ペシペシと何かに顔をたたかれている気がする。
軽く無視してまだ眠りにしがみつこうとしているオレに、今度はごちんと頭に固いものが振り下ろされる。
『いってぇ…』
『おきろ!いちご!』
『…てて…なんだよ冬獅郎…』
『いつまでたってもおきないからだぞ』
見れば、小さな拳を振り上げた冬獅郎が、眉を吊り上げてオレを見下ろしていた。
グーで殴られたのか…。
『わかった…起きるよ…』
『ばいきんまんさがすんだ。はやくいこう』
『あ…そうだそうだ』
『なんだ?』
『冬獅郎、下で待ってろよ』
『?』
『すぐ行くから』
不思議そうな顔でオレを見上げる冬獅郎。
着替えたらすぐ行くからと部屋を追い出し、オレは急いで支度する。
昨日やっと手に入れたバイキンマンを片手にリビングへ向かう。
リビングではのどかな朝の風景。
…ではなく、テレビのリモコンを奪い合う親父と夏梨。
それを困ったように見つめる遊子。
冬獅郎はそれらを全て無視して、ジュースを飲んでいる。
やれやれ。
『いちご!』
『お…ちゃんと待ってたな』
『ばいきんまん!』
『それなんだけどな…これオレからのお年玉だ』
『あ!ばいきんまん!すげー…いちごかったのか?』
『あぁ、昨日渡したかったんだけど、お前気持ち良さそうに寝てたしなあ』
言いながら頭を撫でてやるが、既に冬獅郎の全意識はバイキンマンだ。
箱を開けて、電池を入れてやる。
頭をたたくと、あの例のだみ声でしゃべる。
なかなか面白い。
ふと冬獅郎が何かを思い立ったように立ち上がり、2階へ行ってしまった。
すぐにもどって来たが、その手には自分のお年玉。
『いちご、はい』
『ん?』
『これ、おれがかうんだ。だからこれはいちごのだ』
『いいって、このバイキンマンはオレからのお年玉だって。それに階に連れてってくれたのは親父だし…』
『…え』
冬獅郎はちらりと親父を見る。
親父は相変わらず夏梨とリモコンの奪い合いをしているが、そろそろ夏梨の勝利で終わりそうだ。
お年玉を手にじっと考える冬獅郎。
『それはお前が好きなもの買っていいんだぞ?』
『ばいきんまん…』
『バイキンマンはもうあるからなんか他のにしような?』
『うん…』
『別にすぐに買わなくたっていいんだぞ?』
『どーなつ!どーなついっぱいかう』
『あ?ドーナツ?』
『おれもくいたい。いちごもくいたいだろ?みんなも…』
『そっか…それならお前も嬉しいしみんなも嬉しいか』
『おう』
『ん…でも正月の飯たくさんあるから、もうちょっとしたらにしような』
『うん』
嬉しそうに頷く冬獅郎。
本当に優しい子だ。
なのに、なんであんなに乱暴でわがままなのだろうか…。
それもまたかわいいからいいんだが。
というわけで、オレは人生で初めてお年玉をあげる立場に立ち、冬獅郎は初めて貰ったお年玉で欲しいものを買う事が出来た。(正確にはまだだが)
親父の助力が無ければ出来なかった事なので、本当に感謝だ。
こういう時、オレは自分がまだまだ子供なんだなと実感する。
そして、みんなが正月料理に飽きて来た頃、冬獅郎のお年玉で買ったドーナツをみんなで食べた。
いつもよりとてもおいしく感じたのはおせちに飽きていたからではないだろう。
100円セールのドーナツを1人2個づつだったが、とても満足だった。
バイキンマンはというと、大方の予想通りすぐに触角が折れた。
そして首がおかしな角度になった。
今はもうたたいても反応しない。
買って一週間の命だった。
子供にかかればおもちゃなんてのはこんなものだ。
今は冬獅郎自らが声を当ててバイキンマンをやっている。
とてもほほえましい。
ただ触角が無いので妙につるりとした、奇妙な生き物にみえるのだが…。
まあ本人が楽しいのならそれでいいだろう。
あ…そういえばオレは自分が買おうと思っていたCDをまだ買っていない事に気づいた。
あとで冬獅郎と散歩がてら買いに行こう。
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