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今週はお花見!
電車で小江戸の街とそれから近所の河原。
どっちも桜はきれいでたのしかったーv

近所の方は河原がすっごく混んでたけど、田舎なのでおだやかw
久々にゆっくり散歩もできたv

もういっこの方は街が観光地なのと花見シーズンなのとドラマの舞台ってことで混み混み。
写真とか撮りまくって旅行気分でしたv
電車で15分だけどwww

この時期花見ははほんと思い立ったらすぐ行かないと、桜って散っちゃうから焦るw
桜吹雪もきれいだけど、やっぱりつぼみまじりがきれい。

ちっちゃい冬獅郎くんが一護に抱っこされて、桜ちぎろうとして怒られてるとか。
河原で段ボールソリして遊ぶとか。
食べようとしたたこ焼き落っことして大泣きとか。

まあそんなとても微笑ましい脳内でした。
ほほえましい?www


『幸せの時間2』

『どっちだ?』
『あっちだ。黙ってついてこいよ』
『へーい』

ちょろちょろと自分の周りに纏わりつき、曲がり角の度にどっちに行くのかを聞いて来る一護に、うっとうしくなった日番谷がじろりと下から睨むとすぐに一護は大人しくなった。
だまって嬉しそうに日番谷の後をついてくる。

いつも日番谷が昼食に利用している定食屋は隊舎からはさほど遠くはない。
日番谷は昼休みに食事をとったあと必ず昼寝をするので、そんな遠出はしたくないからだ。
それに、その定食屋は日番谷が大好きな卵焼きがおいしいから気に入っていた。
定食にはもともと卵焼きは無かったが、店のおばちゃんが日番谷の為に新しくメニューに卵焼き定食を追加してくれたのだ。

『ついたぞ』
『おーここか!』

こぢんまりしている店構え。
だが中は結構広くて、いつもにぎわっている。
入り口もきれいに清掃されていて、清潔感が漂っている。

引き戸を空けて中へ入ると昼休みの時間から少々ずれているせいか、店内は半分ほどしか埋まっていない。
店内に入って来た日番谷を見るなり、店内の隊士達に緊張が走る。
だが、日番谷が食事をとりに来ただけだと気づくと、それぞれがまた自分の昼休みをくつろぎはじめた。

『お前本当に隊長なんだな…』
『なんだよ…今更…』
『いやー…やっぱ見た目が……っうお!』

聞きたくない言葉を続けようとする一護を、足を思い切り踏みつける事で黙らせる。
そのまま奥まったカウンターの席へ向かう日番谷を、一護は片足でぴょんぴょん飛び跳ねながら追った。

『こんなはじっこ座らねーで、あっちの広いテーブルいこうぜ?』
『いや、ここでいい』
『そっか』

自分が店内の真ん中に陣取ってしまったら、周りの隊士達は落ち着いて食事が出来ないだろうという日番谷の配慮だった。
すぐにそれに気づいた一護も、大人しく日番谷の隣に腰を下ろす。
しかし、背の小さい日番谷にはカウンターのテーブルは少々高いようで、座布団でも敷いてやりたいくらいだ、と一護は内心思ってしまった。
そんなかわいい日番谷の姿を想像していたら思わず吹き出しそうになって、それをこらえていると店のおばちゃんが自ら注文を取りに来てくれた。

『いらっしゃい!日番谷隊長はいつものだね。おや、こっちのお兄さんは初めてじゃないの?』
『あ…はい。そーなんです。何がおすすめっすか?』
『うちはなんでもおいしいよ!今日はね、親子丼が日替わり定食。そうだ、日番谷隊長もたまには他のにしてみたら?』
『いや…オレはいい』
『んじゃ、オレはその親子丼にする。大盛りで!』
『かしこまりました。んじゃ今お茶もってくるね』

注文を取って、お茶を入れに奥におばちゃんが消えると、一護は日番谷に聞いてみた。

『なあお前いつも何食ってんの?いつものって?』
『なんでもいいだろ。どーせもうすぐ運ばれてくるんだ』
『卵焼きだろ』
『…だったらなんだよ』
『お前ほんと好きだな。たまには他の食えばいいのに』
『うるせえ。オレの勝手だろ』

温かいお茶が運ばれてきて、日番谷はそれを一口すする。
お茶が胃に入ったことで、余計空腹を感じてしまう。
それは一護も同じだったようで、カウンターから厨房をのぞきこむようにそわそわしている。

『おまちどおさま』

ほどなくして運ばれて来た食事。
日番谷のは特製の卵焼き定食。
大きな出し巻き卵と少しのご飯。汁物とデザート。
なんだかとても可愛らしい定食だった。

一護も目の前におかれたおいしそうな親子丼を食べようと、レンゲを手に取ってみそ汁のふたを開けつつ日番谷の様子を見ると、なぜかデザートのフルーツから食べようとしていた。

『おまえ…デザートからかよ…』
『いちいちうるせえ』
『オレのにそれ付いてねーんだ。いっこくれよ』
『やんねーよ…』

そう言って小さく切られたリンゴに楊枝を突き刺し、口にいれようとした日番谷だったが、ふと一護の親子丼に気づき、動きが止まる。

『…』

一護は今まさに一口目を食べようとしていたが、なんだか熱い視線を感じて日番谷の方を見ると、リンゴを口元に持って行ったまま動きを止め、一護の手元をじっと見ている。

(ああ…これも卵だもんな…これ食いてえのか)

そう気づいた一護は持っていたレンゲを日番谷の方へ差し出した。

『ほれ』
『…いいって』
『そんな顔で見られてたら落ち着いて食えねえよ』
『…』
『いいから食えよ』

さらにレンゲを近づける一護。
おいしそうな匂いが鼻をくすぐり、日番谷は思わず大きく口を開けていた。

『…うま…』
『ほんとか?じゃあオレも』

ごっそりと親子丼を掬い、口に帆織り込んだ一護も感嘆の声をあげる。

『うめー!』

続けて食べようとした一護だったが、日番谷がまたしても一護の手元をじっと見ているので、思わず苦笑しつつもう一度食べさせてやった。
いつもならこんな風に『あーん』なんてことを全くしない日番谷だったが、卵がそれほど好きなのか、一護と久しぶりに合えた事で気が緩んでいるのかはわからなかったが、口元にレンゲを運んでやると素直に口を開ける日番谷は、とんでもなく可愛かった。
最初は一護が腕を伸ばして差し出している格好だったが、どんどん日番谷の方が身を乗り出して来ていて、ねだっているようにしか見えない。

『あらあら、日番谷隊長ったら、まるで雛鳥だね』

お茶を注ぎに店内を回っていたおばちゃんが、日番谷のそんな姿を見て笑いながら近寄って来た。
それを聞いて、はっと我に帰った日番谷は慌ててもとの体制に戻る。
顔を真っ赤にして俯き、持っていたことも忘れていたであろうリンゴをかじる。

そんな日番谷の姿を熱い眼差しで、あるいは心で黄色い声をあげながら、更にはヨダレでもたらしそうな勢いで店内の者達が見ていた事を本人は全く知らない。
先ほどまでは、今日午前中の仕事が忙しくて、昼食にありつくのが遅くなったと不満を漏らしていた隊士達だったが、こんな微笑ましく可愛らしい日番谷の姿なんて滅多に見られるものではないので、先程までの不満はどこへやら、全員が頬をゆるめっぱなしで、食べ終わった者も店を出ようとしない有様だった。

『うまいなーコレ』
『…ああ…』

さっきまでの自分の行動がはずかしかったのか、一護の方を見ようともしないでお茶をすする日番谷。

『おまえこんなに食ったんだぜ』

見ると一護のどんぶりは3分の1ほどの量が減っていた。
気がつけば、日番谷もずいぶん腹は満たされているようだと感じる。
無言で卵焼きに手を付けるが、全部食べきる自信はない。
もそもそ食べ続ける日番谷を他所に、あっという間に親子丼を平らげた一護はお茶を一気飲みしていた。

いくら腹が減っていて、一護の親子丼がおいしそうに見えたからといって、先程の自分の行動があまりにも恥ずかしかった日番谷は、一刻も早く自分の食事を終わらせて店を出たかったが、ずいぶんと食べてしまった親子丼のせいで、なかなか箸が進まない。
もうこのまま残して帰ろうと箸を置いた。

『腹いっぱいか冬獅郎』
『…そーじゃねえ…』
『親子丼あんなに食ったもんな。ほんとうまかった』
『……もう行くぞ』
『待てって、残したら悪いだろ。それオレがくうから寄越せ』

そう言うと一護は自分尾前の空っぽの盆を脇に避け、日番谷の盆を自分の前に置くと、先程と変わらない勢いで卵焼き定食を腹に収めてしまった。

『ごちそーさま!こっちもうめーなー。オレ今度コレにしようかな』
『…すまん』
『…え?』
『なんでもねえ、帰るぞ』
『あ…ああ』

日番谷は素早く会計を済ませると、店のそとに出た。
店内の隊士達の視線から逃れる事が出来て、多少ほっとする。

(どいつもこいつも…オレを子供みたいに見やがって…)

続いて出て来た一護が、日番谷の横に立つ。
そして日番谷の頭をぽんとたたくとにっこり笑う。

『今度はさ、最初っから半分こして食おうな』
『……あぁ』

もうにどと連れてこねえ…と思いながらもとりあえず頷いておく。

そう言えば食事しながら今後の事を決めようと思っていたのだが、それどころではなかった。
とりあえず立ち止まっているのもなんなので、歩きながら考えことにし、あてもなくぶらぶらと散歩し始めたふたり。

遥か後方では、先程のひな鳥のような日番谷の撮影に成功した松本が、その写真にいくらの値を付けようかとうきうき顔だった。



つづく




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