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 他の日記にも書いちゃったけど、黒崎ぃ…お前なにしとんねん…。

ずっと見てたかwww

見てただけかwww

そうかそうかwww

『バレンタイン』

「おい…黒崎いるか…?」
「あ?ああいるよ…って、冬獅郎!」

マンガを読むのに夢中だったとはいえ、いくらなんでも気配を消し過ぎの状態で現れた日番谷に、一護は目を丸くする。

「ど、どうしたんだよ?なにかあったか?」

現世でなにかあったのかと思い、聞いてみる。
だが、日番谷は一護と目が合った途端俯いてしまい、何も語らない。

「おい…冬獅郎?」
「…いや…やっぱりいい…邪魔したな」

ちかづいた一護から逃げるように、きびすを返した日番谷は、今しがた入って来たばかりの一護の部屋から出て行こうとした。

「ちょっと…待てって!どうしたんだよ」
「何でもねえ!」
「せっかく来たんだから、少しはゆっくりしてけよ」

普段滅多に会えない日番谷が来てくれて、顔を見れただけでも嬉しいのだが、トンボ帰りはないだろう。
日番谷の着物の裾を引っ掴み、自分の方へなんとか引き寄せた一護だったが、日番谷は必死に抵抗して逃げ出そうとする。

「離せって!」
「いーじゃん!少しくらいさ…ん?」

暴れた拍子に、日番谷の懐から何かがすべり落ち、一護のベッドに転がった。

「あ!触るな!」
「なんだこれ?…あ…チョコ?」
「ちがうちがう!返せ!」

右手でしっかりと日番谷の腰を掴んだまま、一護は左手で小さな包みを取り上げた。
それは真っ赤なリボンでラッピングされた箱。
今日が2月14日という事を考えると、明らかにそれはチョコレート。

先程は突然現れた日番谷に驚いて、そこまで頭が回らなかったが。
一護がしげしげと箱を眺めている間も、日番谷はじたばたと一gおの腕も中で暴れている。
だが、本気で逃げる気はないのは一目瞭然。

顔を真っ赤にして、目に涙まで浮かべて「離せ!」とわめいているが、気がつくと一護の腕を、小さい両手でしっかりと掴んでいる。
そんなかわいい仕草もしっかりと目の端に収めながら、一護はわざと聞いてみる事にした。

「なあ冬獅郎、コレなんだ?」
「しらねえ!返せ!オレんだ!」
「ふうーん…じゃ、返すよ。ほい」

日番谷の手元に箱を近づけてやる。
そうすると日番谷はその箱をじっと見つめはするが、手は出さない。

「どうしたよ。返すって」
「…」

黙りこくってしまった。
完全に困っている。

誰がどう見ても、日番谷は一護にこのチョコを渡す為に来たのだ。
普段の一護なら、飛び上がって喜ぶのは明らかだから、こんな風に返せと言って、返されるとは思ってなかったのだろう。

「なんだよ…お前んだろ?返すから持ってけよ…」

段々日番谷の手が震えてきた。
少しいじめすぎたかと思い、一護はそっと日番谷の顔を伺ってみる。

なんと日番谷は、涙目になって唇を噛み締めている。
一護はさすがにあわててしまい、箱をとりあえず脇に置いて日番谷を両手で抱きしめた。

「ごめん!ごめん冬獅郎!コレオレにくれるんだろ?…せっかく来たのにお前がすぐ帰るなんて言うから、少し困らせてやろうって思っちまった…ごめん」
「…」

日番谷の頭に顔を埋めながら素直に謝ると、日番谷はふるわせていた手を一護の背に回し、ぎゅっと力を入れて抱きついてきた。
そして、ぼそぼそと小さな小さな声で話しだした。

「…きのう…」
「ん?」

聞き取りにくい小さな声に一護は日番谷の顔をコチラに向けようとするが、日番谷一護の胸に顔を埋めてしまった。
仕方なく、一護はそっと日番谷を抱きしめ頭を撫でた。
そうすると、日番谷は小さくため息をつき、再び話し始めた。

「きのう…チョコ…作ろうとしたんだ」
「うん」
「松本が、手作りのチョコを作れ。じゃないと…黒崎が…」
「ん?」
「黒崎はたくさん女の子にチョコ貰うだろうから、その…オレの…こととか…どうでも…よくなったら…困るだろう…って」
「うん」
「そんなの作ったことねーし、よくわからねえし…でも、あんまりにも松本がうるせえから、仕方なく作る事にしたんだ…」
「うん」
「材料はぜんぶ用意してくれたんだけど…オレ…本当にわかんなくて…その…」

どんどん小さくなって行った日番谷の声がとうとう聞こえないほどになってしまった。
小さな背中を優しくさすってやると、小さく身じろぎした日番谷はそっと一護の顔を伺うようにちらりと目だけで上を見た。
そして、いったん一護の胸に顔を押し付けた後、再び口を開いた。

「失敗した」
「ん」
「ぜんぶゴミになっちまった」
「そっか」
「でも…もうどうでもいいやって思ってたら、会いにだけでも行けっていうから…」
「それで、来てくれたのか。お前忙しいだろうに…ありがとな」
「…ごめん」
「なんで謝るんだよ…」

頭をぽんぽんと叩いてやると、日番谷はその手から逃げるように頭を振って一護をじっと見た。

「オレ…手ぶらで来るのもなんか…あれだったから…途中でチョコ買おうと思ったんだけど、たくさんありすぎて、見てるうちに疲れちまって…こんな小さいのしか…なくなってて」
「ばぁか…嬉しいよ」
「きっとオレの…一番みすぼらしいんだろ…?」

そう言って少し悲しげな顔をする日番谷に、一護はたまらなくなり思い切り日番谷を抱きしめた。

「ばか。お前のがいっちばん嬉しいんだ!手作りとか、味とか、量とかじゃねーの!冬獅郎がくれたってことがオレには一番嬉しいんだから!」
「いちご…」


それでもまだ困った様な顔をしている日番谷の頬を両手で包み込むと、一護はなんの前触れもなしに日番谷の唇に自分の唇を押し付けた。

すぐに離れて日番谷の顔を見ると、大きな目をまんまるにして驚いている。
そして、みるみるうちに顔が真っ赤になってしまった。

本当にいつも可愛らしい反応でうれしくなってしまう。

一ごは傍らに置いておいたチョコレートの箱を手にとると、冬獅郎にむかってにこりと笑った。

「なあ、コレ食っていいか?」
「…え?…あ、ああ…」

未だ混乱状態の日番谷は、チョコレートの包みを開け始めた一護を見て、やっと我にかえったようだった。

「うわ、うまそうじゃん!」
「ほんとか?」

どう見てもコンビニで買えそうな安物のチョコレート。
ハート型と、丸型と四角いのが会わせて3つ。
ピンクのアルミで包まれて入っていた。

「これ食お」

一護はハート型のチョコレートをつまみ、包みを開けた。
中からピンク色のチョコレートが出て来た。見るからに甘そうなイチゴチョコレートだった。
ふわりと甘い香りが漂う。

一護はそのチョコレートを口にくわえると、日番谷の体を引き寄せて顔をぐいっと近づけた。
突然のことに驚く日番谷の顔を一瞬堪能した後、チョコレートごと日番谷にキスをした。
先程のキスとは違った深いキス。
口に含んだチョコレートが溶け出して、口の中に甘い香りが広がる。
すっかりハート形のチョコレートが溶けきってしまうまでキスは続いた。

軽いため息とともにようやく離れた二人。
チョコの甘さと、日番谷の唇を同時に味わった満足そうな一護。
とんでもなく恥ずかしいことをしてしまったとまたしても真っ赤になってしまう日番谷。

「もういっこ食う?」
「…もも…もういい!!!」
「そんなこというなって!3つ全部一緒に食べようぜ」
「いい!いいって!!んんー!!!」

逃げようとする日番谷を捕まえ、再びチョコレートも共にキスを繰り返す一護は本当に幸せそうで、最初はパニックしていた日番谷にもそれは伝えわったようで、しばらくすると大人しくなった。
そして、3つ全部を仲良く二人で分け合った。

「なあ冬獅郎、今度はオレがお前にチョコやるからさ、もっかいこうして食べようぜ?」
「ば…何言ってんだよ!もうしねえ!!!」
「いーじゃん!逆チョコって、彼氏からあげるチョコも前流行ったんだぜ?」
「ふつーに!普通に食えばいいだろ!」

唇の端に少しだけチョコをつけたままわめく日番谷のあごに手をかけて、チョコを舐めとりながら一護はささやいた。

「ありがとう、冬獅郎」
「…あ…」

そうして、また二人は抱き合ったまま、しばらく幸せな時間をすごした。

結局もう一度二人でチョコを買いに行き、今度は日番谷からのキスをねだる一護に、日番谷が「うん」というまで、半日かかったとかかからなかったとか…。















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